コラム

著書コラム

大人が身につけておきたい算数力
坪野圭介

写真:大人が身につけておきたい算数力

最後に算数を勉強したのは何年前でしょうか?この本は、もう一度はじめから、算数を学び直すための本です。算数に必要な数の性質や和と差、割合、図形といった概念を一から説明し、さらに問題を解くために必要な考え方を、順を追って解説しました。これ一冊で、どんな場面にも役立つ算数的な思考力をしっかり身につけていただけると思います。算数の面白さと大切さを少しでも感じてもらえたらいいな、と思いながら本書を書きました。
算数というのは、少し不思議な扱われ方をしている教科です。主に小学校の6年間を通して学習するのですが、学校で教わるのは計算の仕方や、簡単な概念の説明が中心で、複雑な文章題や発展的な内容は、中学受験を目指す子が通う学習塾でしか教えられていません。本当はそのような内容こそ、算数の醍醐味なのに…。つまり、算数の本当に面白い部分は中学受験生という一部の子にしか教えられず、多くの人は知らないまま中学校に入って、今度は数学を学びはじめてしまいます。数学の基礎は算数なので、算数をきちんと勉強していない人は、数学が苦手になり、そのまま大人になってしまう…ということにもなりかねません。なにより、きちんとした算数の考え方を知らないのは、もったいない。算数には、思考の基本となるような大事なポイントがたくさんつまっているからです。日常生活の中でも算数の考え方はたくさん活きているし、物事を考えるうえで算数的な思考が役立つ場面もたくさんあります。もちろん、勉強はいつでもやり直しがきくので、小学校のとききちんと勉強していなくても、思い立ったときに学び直せばいいことです。改めて学び直すことで、算数ってこんなことをやっていたのか、という新鮮な驚きが必ずあると思います。学校で教わる算数と、塾で教わる算数の垣根を取っ払って、算数の全体像を掴むのに、本書を役立てていただければ幸いです。
さて、幸か不幸か、私は受験を経験した回数だけはおそらく人並み以上なので、学習者の立場から、色々な参考書や学習書を長い間、好き勝手に研究していました。そこでたどり着いた、良い学習書の基準というのが、2つあります。ひとつは、「コンパクトな内容で、全体が見渡せる」ということです。必要十分な量で全体の内容がまとめられている本を読むと、一読しただけで、なんだかその科目が分かった気になれます。もちろん分かった気になっているだけではだめなのですが、なんとなく分かったという安心感があると、その後の学習に余裕を持って取り組めるようになります。逆に、はじめの段階で一部分だけやたら詳しく解説されているような本を読むと、読む前よりもますます不安になってしまうものです。あるいは簡単に面白く書いてあるけれど、全体像が見えてこない、という本も、読んでいるときには楽しくても実際にはあまり役に立ちません。
もうひとつの基準は、「理屈がきちんと説明してある」ことです。つまり、これはこうだ、という事実だけでなく、なぜそうなるのか、ということが丁寧に説明してあると、それだけで理解が深まり、項目と項目が点ではなく線でつながっていきます。良い本は、学習書であっても、あたかも物語を読むように、展開を追うことができます。
この本も、そのような2つの基準を意識しながら書きました。そうした基準にどれだけ近づけているかは分かりませんが、読んでくださる方にとって、この本が少しでも「良い本」になってくれればいいなと心から願っています。
子どもの頃には、いやだいやだと思いながら算数の授業を受けていた人も多いかもしれません。大人になった今、もう一度算数を見つめ直してみませんか?

『大人が身につけておきたい算数力』の詳細はこちら

2007年07月18日

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