コラム

著書コラム

みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング
森沢洋介

写真:みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング

外国語を習得する過程には、二つの側面があります。一つは、文法や基礎語彙を覚え、読解能力をつける学習的な側面です。もう一つは、学習対象言語の文やフレーズを大量に聴き、口にして、学習で得た知識を使えるようにする訓練的な側面です。

中学・高校そして受験で英語を真面目に勉強し、優秀な成績を収めてきた人も、それだけでは、英語をコミュニケーションの道具として実用的に使えないことから、学科英語、受験英語がしばしばやり玉にあげられます。あげくは、学習不要論のような極端な主張さえ出てきます。しかし、学習で知識の枠組みを築くことには、まったく問題がありませんし、必要なことです。学習で基礎のできた人たちが英語を使えない原因はただ一つ、もう一方の側面である、知識をスキルに変えるための訓練が欠けているからです。ですからこうした人たちがしかるべき訓練を行えば、急速に運用能力が向上していきます。

私は、手持ちの知識を、訓練によって使えるスキルに変えていくことを「稼働系トレーニング」と呼んでいます。リスニング、音読、リピーティング、シャドーイングなどは、どれもすぐれた稼働系トレーニングです。ただ、効果があるのはわかっていても、勉強的なスタイルでしか英語に触れてこなかった人には、上に挙げたような種々のトレーニングを実際にどのように組み合わせ、実践したらよいのか迷ってしまうことも多いでしょう。しかし、あまり悩む必要はありません。

トレーニングの初期では、複数のトレーニングを一つにして単純化して行えばいいのです。複数のトレーニングに対して、それぞれ違うテキストを使うのではなく、一つのテキストを用い、リスニング、音読、リピーティング、シャドーイングのすべてを行うのです。音読を軸にして、それ以外の複数のトレーニングを行うことから、「音読パッケージ」と呼んでいます。確かに、トレーニングというものは、どの分野でもだんだん複雑・高度になっていくものですが、初期段階ではごく単純なもので十分な効果を得ることができます。

英語の稼働系トレーニングによってまず獲得したいのは、文字ではなく音声で、直接英語を受け入れる体質、いわば英語体質です。いったんこの体質が出来上がってしまえば、英語は、もはやパズルや判じ物の対象ではなく、言語としての本来の姿を見せてくれます。後は、受け入れられる英語のレベルを徐々に上げていけばよいのです。

音読パッケージでは、読んでしまえば簡単に理解できる素材を使うことが鉄則です。「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング」では、ほぼ中学レベルの英文を使用していますので、基礎レベルの方にも、初めて行う稼働系トレーニングテキストとして無理なくご使用いただけるものと思います。また、付属のリピーティング用のポーズ付き音源が、トレーニングをさらにスムーズにしてくれるでしょう。外国語を学習することは、無数の川を渡っていくようなものです。英語を直接音声的に受け入れ、理解できる体質を獲得することは、最初の、そして大きな川を渡ることです。本書を通じ、多くの方がこの川を渡ることを願ってやみません。

『みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング』の詳細はこちら

2009年11月24日

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