コラム

著書コラム

数学の楽しみ方
小沢健一

写真:数学の楽しみ方

この8月下旬、中国安徽省の黄山に旅をした。写真はそのときのもの。水墨画さながらの切り立った山と深い谷が続く名勝である。海抜1800メートルもある山の上なのに歩道や階段がきちんと整備されていたので、ゆっくり歩きながら美しい景色を味わうことができた。
 数学もこんな具合にゆっくり楽しみながら学べるといいのだがなかなかそうはいかない。そもそも数学を学ぶ道の整備状況はあまりよくない。
 ところでいつも感じるのだが、数学は一度行きづまるとどうしようもない絶望感におそわれる。
 “わかってしまえば何でもないが、わからないと奈落の底”
 この感覚は他の学問にも共通かもしれないが、数学は抽象度が高いから一層強く感じるのだろう。とにかく、わからない内容に直面するたびに文字通り万丈の山や千尋の谷に遭遇して道を失ったような気分になる。
 そんな絶望感からの脱却法、私家版数学楽しみ術を紹介しよう。

1.「できる」より「わかる」を
 受験数学や学校数学の影響で問題を解くことを数学の最終目標にしがちだが、それよりも理論の途中や周辺の風景を楽しむ。小説だって囲碁や将棋だって最後に問題が出されたら楽しくなくなる。

2.「わかる」とはイメージを持つこと
 Aさんが「関数」と言ったとき、Bさんの頭にブラックボックスのイメージが浮かべば「関数」という概念の情報が伝わったことになる。イメージのないCさんには「か・ん・す・う」という無意味な音列が届くだけ。

3.疑問を飼う
 変な言い方だが、小さな疑問もそれをしばらく大事に頭に置いておく。飼っておくうちにだんだん「イメージ」が育ってくる。寝ながら考えると不眠症対策にもなる。

 
皆さんはどんな方法で数学を楽しんでいるのだろうか?

『数学の楽しみ方』の詳細はこちら

2010年09月10日

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