著書コラム
NHKの英語講座をフル活用した簡単上達法

英語の勉強を始めた10数年前、今の私が存在しようとは、どこの誰が想像したでしょうか? 大人になってから始める勉強は新鮮でとても楽しいものです。試験のプレッシャーから解放されているのもいいんでしょうね。
私の英語熱に火がついたのは、言語のおもしろさというよりもコミュニケーションの楽しさに起因していました。いろいろな国の人と話せるって、本当に楽しいことです。考え方も生活様式も違う人たちと話をしていると、自分の価値観って何なんだろうと思えてきます。自分の抱えている悩みもなんだかバカらしく思えてきます。ちっぽけなことにこだわっている自分が滑稽にさえ感じてくるから不思議です。 「ふーん、そんな考え方もあるのね。」 と他人に対して寛大にもなれます。
そんな英語の魅力にとりつかれてしまいました。英語を学問ではなく、コミュニケーションのツールとして捉えるとその魅力は倍増します。 「英語を話せてよかった。」 と思うよりも、「この人と話ができてよかった。」 と思えます。
あるとき、アメリカの大学教授が数日我が家に泊まったことがありました。特別な大人のためのホームステイプログラムを受け入れたときでした。その当時は、まだまともに英語が話せる段階ではなかったのですが、街を案内したり夜遅くまで話し込んだりしているうちに、人と人とのつながりって言葉じゃないんだ、と思えるときがありました。不思議なことに、そう割り切ることによって、徐々に英語が話せるようになっていった気がします。英語を正確に話すことよりも、気持ちを伝えることに重点を置くようになりました。
彼が残した言葉が今でも頭の中で鳴り響きます。
「人は何が起こるかわからない。将来どうなるかもわからない。君がどんな成功者になるか、いろんな可能性を秘めているんだよ。今、君がやっている学習法が本になって売り出されるときだってくるかもしれない・・・」
その当時、英会話学校に通うお金もなくて、これでいいのだろうか?と道に迷いながら自己流で英語を勉強していた私が 「そ〜んなバカな夢物語! あり得ない!!」 と思って聞いていた言葉です。
きっと、彼は預言者だったに違いありません。
2005年02月01日