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  • 編集部コラム

続・サウナに目覚めた者の末路

「池袋かるまるのサンダートルネードはヤバかった」と言っても、多くの人は何のことかわからないかもしれません。「かるまる」は、池袋に2019年に開店した都内最大級のサウナ施設で、「サンダートルネード」とは、ジェット水流が渦巻く超低温(なんと7℃!)水風呂のことです。どんな水風呂好きでも30秒も入っていられないような代物です。

前回、「サウナは健康に良いとも言われますが、依存症になっては本末転倒」と述べましたが、最近はさらに依存傾向が進んで、よりエクストリームなサウナ体験に目覚めつつあります。なぜなら、熱さにも冷たさにも慣れてくると、なんとなく物足りない感じがして、「もっとロウリュを!」「より熱く、より冷たく、より温度差を!」と身体が求めてしまうからです。そして温度差が大きければ大きいほど、身体中に「あまみ」と呼ばれる紅白のまだら模様が濃く浮き出て、ととのった気分になるのです。それを修行僧のように何時間も繰り返し、多い時には1日に十数セットもこなします。最近は心拍数計を身につけて、限界まで身体を蒸し上げて落差を追求するようになりました。

私は登山歴が長いですが、サウナの気持ち良さは、目的地に着いて背負っていた重い荷物を下ろしたときの感覚と、似ている気がします。つまりサウナは熱い苦しみから逃れたときの解放感に浸るマゾな嗜みではないかと。肉体をギリギリな状況に追い込んで、生還したときの達成感や幸福感を味わうのです。そこで一つの真理にたどり着きました。「快楽や幸福は、我慢や労苦と表裏一体」だと。俗に言えば、幸せを得るには、それなりの努力が必要だということですね。苦労すればするほど、それに見合う幸福が待っているかもしれません。サウナは、当たり前だけどとても大切なことにあらためて気づかせてくれました。

モリ

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