理屈で分かる前置詞と動詞 目次
はしがき
第1章 英語の動詞は「力と方向」で意味が決まる
英語の動詞の意味は、動詞にどのような前置詞がくっつくのかによって意味が決まるのではない。「どのような前置詞にどのような動詞がくっつくのか」によって、動詞の意味が決まるのである。
1 位置、方向を表す前置詞の世界
  「方向(前置詞)+目的地」が優先し、それによって動詞が確定する。
2 前置詞をつける必要がない動詞とはすでに方向を持っている動作
3 位置、方向を表す副詞の世界
  (1)方向の説明(2)動作の連続(3)動詞、形容詞の説明(4)動詞、形容詞の強調
第2章 力と方向を表す副詞とどんな動詞が結びつくか
副詞とは、位置、場所、範囲、方向がぼやけている世界であり、それは飛行機の上から見て駅の方向を教示するようなものである。
1 upの世界
upのマインド
upの意味は漠然と「上」方向を表し、すべての生物が目を覚まし、起きて、気分を高め、活動し、機能し、成長し、大きくなり、力尽きるまで「貫く」「とことんまで」「力を発揮する」を表す。そして姿、形があるものが「形を整え」「増える」「大きくなる」「膨らむ」「伸びる」方向を言う。
(1) stand up、sit up、stay up
(2) keep up
(3) hold up
(4) rise up 
(5) use up
(6) add up
(7) act up 
(8) work up
(9) speed up
(10) choose up
(11) choke up
(12) set up
(13) make up
(14) lock up
(15) catch up
(16) fix up
(17) shoot up
(18) close up
(19) go up
(20) get up
2 downの世界
downのマインド
downは、「現在いるところ」「その場」「その場から下に、下位方向に」を意味し、「南の方向に向かう」「下る」を表し、現在から過去に遡る方向、「力」や「数」が減少する方向を意味する。強調の意味としては、「動詞+down」で「動作を貫く」を表す。
(1) go down
(2) pay down
(3) turn down
(4) touch downとknock down
(5) get down to
(6) take down
(7) slow down
(8) calm down
(9) hand down
(10) break down
3 outの世界
outのマインドoutは、姿形のあるものの「全体」を表し、「中から外に現れる」「全体、ある範囲、あるところから外に」「広がる」その結果「離れたところに」「姿が見えなくなって」を意味する。
(1) go out、gone
(2) move out
(3) put out
(4) turn out
(5) break out
(6) bring out
(7) make out
(8) take out
(9) give out
(10) stay out
(11) hold out
(12) carry out
(13) strike out
(14) dig out
(15) stretch out
(16) wear out
4 offの世界
offのマインドoffは、「中断する」そして「(外に)放つ」「離れる」「それる」だが“離れる”という意味では「今いるところから離れる」「その場から離れる」ことである。この意味では「どこから離れるかを目撃しているか、周知している」点でawayと異なる。awayは、「すでに姿が見えない」を表し、「どこから離れたのかを言う必要がない」点で区別できる。またoffは、時間、場所、程度などのズレ、差を表す。
(1) take off
(2) wear off
(3) be well(badly) off
(4) break off
(5) cut off
(6) strike off
(7) call off
(8) stop off
(9) reflect off
5 out ofの世界
out ofのマインド
out ofは、「今いるところから外へ」「はずれる」その結果「・・・に生じる」を意味する。“動いて外へ”という動的な意味が強いので、外に出ていこうとする側に立って「・・・から」を意味する。これに対してfromは、「結果」「起点」から見て「・・・から(起点)」を意味する。しかし両者はしばしば混用されている。
6 awayの世界
awayのマインド
awayは、「連続して」「さらに」その結果「それる」「遠ざける」「遠のく」を意味する。
(1) go away
(2) make away
(3) keep away
(4) stay away
(5) stand away
(6) take(or put) away
(7) pass away
7 backwardとforwardの世界
backwardとforwardのマインド
backwardは「後ろの方に」「過去の方に」を表し、forwardは「前の方に」「将来の方に」その結果「前進して」「期待して」を意味する。
第3章 どのような前置詞とどのような動詞が結びつくか
・前置詞とは動作をする位置、場所が明確な世界であると発想しよう。それは副詞が飛行機の上から“駅がどこにあるか”を教示する世界に例えられるなら、前置詞は地図を見て駅の方向を教示するようなものである。
1 onと共に用いる動詞の世界
onのマインド
onは、「動いて、機能して、連続してその結果傾いて、心を傾けて、その結果・・・接触して・・・に加わる」という動きを表す。
(1) talk on
(2) rely on
(3) look on
(4) put on
(5) lay on
(6) impose+「目的語」+「on+名詞」
(7) wait on
(8) fall on
(9) concentrate
(10) work on
(11) write on
(12) play on
2 atと共に用いる動詞の世界 
atのマインド
atは、「動作と結果が同時に加わる」を表し、「時と場所がほぼ同時に行われる」を表す。従ってatは、「見て、狙って、聴いて、知って(同時に)」と発想しよう。
(1) get at
(2) aim at
(3) strike at
(4) go at
(5) shoot at
3 forと共に用いる動詞の世界
forのマインド
forは、「太陽が東から昇り時を刻む」から「ある時から時まで連続して時を刻む」「時の範囲」という意味と「・・・に向かう」「こうだから(ああなる)」「・・・する代わりに(何かを求める)」「してもらう代わりに(代わりになるものを与える)」「入れ替わりをする」「不足を補う」などを意味する。
(1) like・・・for
(2) blame・・・for
(3) strike・・・for
(4) take・・・for
(5) seek・・・for
(6) struggle・・・for
(7) substitute・・・for
(8) persuade・・・for
(9) sue・・・for
(10) appeal・・・for
(11) excuse・・・for
(12) apply・・・for
(13) compensate(=make up for)
4 withと共に用いる動詞の世界
withのマインド
withは、「他から与えられる」そして「共に働く」「同時に加わる」「同時に加える」その結果「主語についてまわる」を意味する。
(1) agree with
(2) compare with
(3) deal with
(4) catch up withとkeep up with
(5) put up with
(6) something wrong with
(7) do away with
(8) get(keep) in touch with
5 ofと結合する動詞の世界
ofのマインド
ofの意味は「くっついて離れない」その結果「つきまとう」を意味する。
(1) consist of
(2) get rid of
(3) deprive A of B
(4) accuse A of B
(5) approve of
(6) remind of
(7) rob A of B
第4章 get+副詞、get+前置詞に強くなれば表現が広がる
getの本当の意味は「向かう」「向ける」「仕向ける」を表す。従って「get+前置詞+名詞」のマインドは「何がどういう方向に向かうか」を表す。
1 getと共に用いる前置詞の世界
(1) get across
(2) get along
(3) get inとget into
(4) get overとthrough