旅先で出会うさまざまな数学を楽しく学びます。
奈良の法隆寺では白銀比に出会い、函館の五稜郭では黄金比、湯の川温泉ではタイルの敷き詰めから正多面体に思いを馳せ、日光では三角比を使って坂道の勾配を測り、地図を読んでいきます。旅先で出会った数学がじつはこんなにも身近にひそみ、使われているということも実感できる、優しい数学書です。
書籍詳細
法隆寺にひそむ白銀比 五稜郭にひそむ黄金比
旅先で出会う様々な数学のはなし。日光では三角比を駆使し、湯布院では様々な曲線に触れる。世にも優しい幾何学入門。

- 著者名
- 江藤邦彦
- ISBN
- 978-4-86064-216-7
- ページ数
- 236ページ
- サイズ
- A5並製
- 価格
- 定価1,650円 (本体1,500円+税10%)
- 発売日
- 2009年01月23日発売
品切れ
内容紹介
著者コメント
(「はじめに」より)
見知らぬ土地を歩いて思わぬできごとにであったり、壮大な自然の美しさにハッと胸をときめかせたり、あるいはその土地のめずらしい名物料理に舌づつみをうったり、旅路は私たちにいろいろな楽しみを与えてくれます。
こうした旅情を味わいながらあたりの風景を見わたしてみると、思いもよらぬところに「数学」がひそんでいることがあります。
この本は、数学の舞台を“旅”に設定しました。舞台の背景には、美しい山や川、湖の見える風景が配置されています。学校などで学んできた数学とはずいぶんちがった印象で数学を捉えることができると思います。
第1話「古寺にひそむ数の謎」では、無理数と三平方の定理、曲尺と√ .2、本の大きさと白銀長方形、コピー機の拡大率と縮小率などが出てきます。ここでは、古都奈良を散策しながら、日本の古い文化に秘められた無理数を見つけ出すことができます。
第2話「大地に輝く緑の星」では、2次方程式の解法、正五角形と黄金比、黄金長方形、多角形の内角の和、平面の敷きつめ問題などを扱います。眼下に広がる函館・五稜郭を眺めながら、ここでは正五角形のおもしろい性質を味わうことができます。
第3話「高原のドライブ旅行」では、三角比、地図の読み方、測量の話などを取り上げます。さわやかな風が吹く栃木県・奥日光の高原で、関数電卓を活用しながら、三角比とその応用がわかりやすくマスターできるようになっています。
第4話「曲線の見える旅」では、円すい曲線、サイクロイド曲線、懸垂線などいろいろな曲線が出てきます。ここでは、阿蘇の山々の雄大な風景を堪能しながら、ふしぎな曲線の性質を学ぶことができます。
ところで、本書では定年を迎えた林邦夫、そして彼の妻の道子が登場し、夫婦旅を通して上で述べた数学が展開されていきます。
読者の皆さんも、二人と一緒に「数学発見の夫婦旅」へ気軽に出かけてみてください。きっと、高い山の頂上に登ったときのように数学の世界の見晴らしがグーンと広がって、数学が新鮮によみがえってくるものと思います。
では邦夫と道子の“数学旅物語”の幕をあけることにしましょう。
著者プロフィール
江藤邦彦(えとう くにひこ)
1942年、長野県生まれ
1964年、埼玉大学卒業
同年より埼玉県内の高等学校に勤務
2002年、定年退職後、喫茶店「びわの樹」を開店し、現在、店主として活躍
数学教育協議会会員
著書:『ボクもギリシャの数学者』共著(亀書房)
『リンドラ姫の恋と数学物語』(国土社)ほか
『定年男の数学物語』共著(ベレ出版)
この書籍とオススメの組み合わせ
主人公・邦夫と数学が奏でるちょっとロマンチックなストーリ…