「線形代数」「微分・積分」「統計学」に続く、シリーズ第4弾。
「統計解析」とは「統計学」を応用し、実際のデータ分析ができるような現実的な知識を提供するものです。現代社会はさまざまな(玉石混交の)統計データにあふれています。そんな時代にあって、統計的分析能力の素養を身につけておく必要性は増すばかりといえます。本書は、中学数学レベルの前提知識だけで、統計解析が何を問題として、どのように結論を出すのかの過程を理解し、そのエッセンスがつかめるよう解説していきます。
書籍詳細
まずはこの一冊から 意味がわかる統計解析
ビッグデータ時代を生き抜くための統計解析入門書。

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- 著者名
- 涌井貞美
- ISBN
- 978-4-86064-345-4
- ページ数
- 328ページ
- サイズ
- A5判 並製
- 価格
- 定価2,200円 (本体2,000円+税10%)
- 発売日
- 2013年02月18日発売
内容紹介
著者コメント
(「はじめに」より)
「統計解析って、統計学とどう違うんだろう?」──そんな疑問をもっている方が多いのではないでしょうか。
実際、『統計学がわかる』といった本を読んで、なんとなく理屈がわかったとしても、そのあと、現実の場で統計の知識を活かして使っている方はほとんど見あたりません。それは「統計解析の知識が不足しているから」といってよいでしょう。
統計解析というのは、統計学の知識を応用しつつ、実際に統計データの分析を行なえるようにすること──なのです。
ですから、統計解析を身につけることは統計の知識を実践的に使うことであり、また、特別な準備も不要です。本書では統計をイチから説明していますし、その使い方がわかるよう具体的な事例を通して伝えていきます。ただ、あなたに一つだけ用意しておいてほしいのは「統計学とは何か?」「統計学はどう利用されるのか?」という好奇心だけです。
情報化時代といわれて久しいですが、最近ではツイッター、ブログなども含め、日々新しく生まれるデータがますます巨大化し、それらのデータが互いに融合し、複雑化しています。それを「ビッグデータの時代」などとも呼んでいます。このような時代にあって、統計的分析能力の素養を身につけておくことは、ますます重要さを増しています。それには二つの理由があります。
一つ目の理由は、統計解析を活用する立場から見たものです。IT社会であふれるデータの活用法を知らないと、データは単にゴミの山にしか見えません。けれども、ほんの少しでも統計解析の素養を持っていると、それは情報の宝の山にも変容します。データに対して、「こんな見方もできる」「そんな解析もしてみたい」と、好奇心が刺激されます。
二つ目の理由は、統計解析を受け止める立場の話です。猛烈に発信されるデータは、現在、さまざまに解釈されながらマスコミ等で発表されています。困ったことは、その解析は必ずしも正しいとは限らないことです。しかし、ほんの少しの統計解析の素養さえ持っていれば、その誤りを見抜くことができます。
統計の扱いを評した有名な言葉があります。
There are three kinds of lies: lies, damned lies, and statistics.
(世の中には3つのウソがある。ウソと大ウソ、そして統計だ。)
これは19世紀後半のイギリスの首相ベンジャミン・ディズレーリの言葉です。ディズレーリは、「統計のウソ」はウソの中でも最大級だとしているわけですが、それだけに、「統計のウソ」を見抜くには統計解析の素養が必要なのです。
著者プロフィール
涌井貞美(わくい さだみ)
1952年東京生まれ。
東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通、神奈川県立高等学校の教員を経てサイエンスライターとして独立。特に統計解析、多変量解析などに造詣が深い。わかりやすく、ていねいな解説に定評がある。
主な著書:『多変量解析がわかる』(技術評論社)、『Excelでスッキリわかるベイズ統計入門』(日本実業出版社)、『パソコンで遊ぶ数学実験』(講談社ブルーバックス)、『困ったときのパソコン文字解決字典』(誠文堂新光社)、『くらしの科学がわかる本』(自由国民社)、ほか多数。
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