書籍詳細

天気と気象についてわかっていることいないこと
気象学の基礎から最先端の研究までをわかりやすく解説。

天気と気象についてわかっていることいないこと
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著者名
筆保弘徳 芳村圭 他
ISBN
978-4-86064-351-5
ページ数
280ページ
サイズ
四六判 並製
価格
定価1,836円 (本体1,700円+税8%)
発売日
2013年04月16日発売

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内容紹介

「天気予報が当たらない」って思っている人、いませんか? これだけ科学が発展しているのに、なぜ当たらないのだろうと、疑問に感じている人は、ぜひ本書をお読みください。
本書は、気象学の分野で注目されている7つのトピックをとりあげ、それぞれの基本的なしくみや概念を解説し、最新の研究(気象学のフロンティア)を紹介します。気象学の最前線で活躍する研究者たちが、気象のおもしろさ、不思議さをお伝えします。ようこそ、空の研究室へ。

著者コメント

 雨上がりのある日、広々とした公園に出かけると、吸い込まれるような大きな空が待っていて、色鮮やかな虹がかかり、ふわふわと綿菓子のような雲が流れています。ぼんやりと見上げていると、西の空は茜色に染まりはじめ、いつの間にか黄昏時。「どうして雨は降るのだろうか?」「どうして空は青く、夕焼けは赤いのだろう?」「どうして雲は浮かび、虹は七色なのだろう?」……。子どものころは、多様に変わる空の現象を不思議に思い、そのなぞ解きをわくわくしながら楽しんでいた、という方も多いでしょう。しかし残念なことに、大人になるにつれて、時折出会う空の美しさに気づいたとしても、日々の忙しさにまぎれて、空を眺めて不思議に思ったりする時間がもてなくなったのではないでしょうか?
 そんな天気の疑問を解き明かすのが「気象学」です。気象学は、小学校や中学校では、理科の一単元として私たち全員が学んできました。けれども、高校になると、気象学は地学という科目の一部となり、地学を履修した生徒でなければ気象学を教わることはありません。地学教員が不足している現状から、物理、化学、生物は選択できても、地学は選択できないという学校が多いようです。つまり、高校以降、気象学を勉強する機会は極端に少なくなります。大学でも地球科学を専攻しなければ、ほとんどの人は、空のカラクリを詳しく学べないまま大人になり、目の前
で起きている空の現象に興味をもったり深く考えたりする時間を失っていくようです。
 しかし、集中豪雨や台風、竜巻、爆弾低気圧といった、日々のニュースや天気予報でよく耳にする大気の現象は、社会に甚大な被害をもたらし、毎日の生活に大きな影響を与えます。皆さんは、そのひとつひとつの現象のメカニズムをご存じでしょうか? これらの現象は、現代の気象学でどこまで予報することが可能なのでしょうか? 「難しそうだけど、天気のこと、気象のこと、ちょっと知りたい!」という興味の芽が伸びてきませんか? 子どものころのように……。
 そのような芽を育てたいという思いを込めて、本書は完成しました。この本では、さまざまな空の現象を解説し、現代の天気予報のしくみを紹介しています。読者のたくさんのニーズに応えられるように、この一冊のなかに幅広い気象学のトピックスを用意しました。各章は関連しながらも、独立して読めるようになっているので、好きなところから読んでもかまいません。ちょっと難しいところもありますが、立ち止まらずに、気楽に読んでいただければと思います。
 編者が出版社から一般向けの気象に関するこの本の執筆依頼を受けたとき、どうせならこれまでにない書籍をつくりたいと考え、とある企てを提案しました。コードネームは「空企画」。空企画では、気象学の基礎的なことを伝えるだけでなく、もっと違った視点から童心のように空の探求を楽しめるような本にしたい、というチャレンジを盛り込みました。そこで、各分野で活躍する新進気鋭の若手の気象研究者を選び、それぞれの研究の世界から、気象学の最先端の情報を伝えてもらうようにお願いしました。その結果、いままさに気象学の最前線に立っている研究者だからこそ知っている、集中豪雨や台風などの現象はどこまでわかっていて、どこがまだわかっていないのか、天気予報の技術はどこまで進んでいるのかなど、現在進行形の気象学研究の世界を伝える本に仕上がりました。
 さらに、この本にはひとつの仕掛けがあります。それは、章の内容とは別に設けた短いコラムです。コラムには、各章の執筆者が、「どういった経緯で気象学を志し、研究者になったのか」「今はどんなことに興味をもって研究をやっているのか」など、それぞれが研究者になった動機や今の探究心を伝えています。多くの読者には、若手研究者の経験談から、気象学の研究は身近なところからはじまっていることが感じられるのではないでしょうか。読者のなかから、将来、気象学の研究者になりたい! と夢をもってくれる人がいれば、執筆者一同、望外の喜びです。
 すでに多くの天気や気象に関わる書籍が出版されています。しかし、本書のように、気象研究の最前線に身をおく若手研究者が集まって執筆した本は、おそらくこれまで例がありません。将来、日本の気象学を牽引するであろう若手研究者だから書ける、他に類を見ない面白い本になりました。
 子どものころに空を見上げてワクワクしたことを思い出すような、そんな「そらの研究室」にご招待いたします。

著者プロフィール

筆保弘徳(ふでやす ひろのり) 第2章 台風の研究
1975年生まれ。横浜国立大学教育人間科学部准教授、東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科主指導教員、慶應義塾大学理工学部非常勤講師。専門は気象学。編著書に『台風研究の最前線 上・下巻』日本気象学会出版、『Cyclones:Formation,Triggers and Control』NOVA Science Publishers。

芳村 圭(よしむら けい) 第6章 水循環の研究
1978年生まれ。東京大学大気海洋研究所准教授。専門は同位体気象学。文部科学大臣表彰若手科学者賞など受賞。編著書に『気象学における水安定同位体比の利用』日本気象学会出版。

稲津 將(いなつ まさる) 第1章 温帯低気圧の研究
1977年生まれ。北海道大学大学院理学研究院准教授。専門は気象学。編著書に『地球惑星科学入門』(分担)北海道大学出版会。

吉野 純(よしの じゅん) 第3章 竜巻の研究
1976年生まれ。岐阜大学大学院工学研究科准教授。専門は気象学・気象工学。土木学会海岸工学論文賞など多数受賞。大学初で唯一の気象予報業務(http://net.cive.gifu-u.ac.jp/)を実施中

加藤 輝之(かとう てるゆき) 第4章 集中豪雨の研究
1964年生まれ。気象庁気象研究所予報研究部室長、筑波大学大学院生命環境科学研究科教授(連携大学院)。専門は大気力学とメソ気象学。気象学会山本・正野論文賞など多数受賞。共著書に『豪雨・豪雪の気象学』朝倉書店、『The Global Monsoon System:Research and Forecast,Second Edition』World Scientific Pressなど。

茂木 耕作(もてき こうさく) 第5章 梅雨の研究
1976年生まれ。海洋研究開発機構研究院。専門は気象学。著書に『梅雨最前線の正体』東京堂出版。
Twitter: https://twitter.com/motesaku(科学全般に興味のある方との交流
Facebook: https://www.facebook.com/motesaku(気象研究に興味のある方との交流
Blog: 「気象観測研究者のヒト・モノ観測」http://motesaku.hatenablog.com/

三好 建正(みよし たけまさ) 第7章 天気予報の研究
1977年生まれ。理化学研究所計算科学研究機構データ同化研究チームリーダー、米国メリーランド大学大気海洋科学部客員教授。専門は数値天気予報とデータ同化。

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