もしも地球がメロンの大きさだったら、月はそのメロンから4メートル離れたところを周回する直径3.5センチの卵です。水星は?金星は?太陽はどのくらいの大きさ?そして地球からはどれくらい離れているのでしょうか。太陽系を一枚の紙に描いたイメージが擦り込まれてる人も多いと思いますが、実際のスケール感はそれとはほど遠いものになります。本書では、極大から極小まで、科学の世界の途方もないスケール感を、身近なものに例えることでつかんでいきます。
書籍詳細
科学の世界のスケール感をつかむ
もしも地球がメロンの大きさだったら…

- 著者名
- 小谷太郎 / KAERUKOVA(絵)
- ISBN
- 978-4-86064-367-6
- ページ数
- 216ページ
- サイズ
- A5判 並製
- 価格
- 定価1,518円 (本体1,380円+税10%)
- 発売日
- 2013年09月04日発売
品切れ
内容紹介
著者コメント
(「はじめに」より)
もしも地球がメロンの大きさだとするなら、月はウメの実です。
ウメの実はメロンの周りを1 カ月かけてめぐります。
もしも原子の中心の原子核をパチンコ玉ほどに拡大したなら、原子全体は上野動物園に匹敵する大きさになります。
電子がパンダとキリンをかすめて飛び回ります。
「スケール」とは物差しのことですが、縮尺の意味もあります。
24000 分の1 のスケールなら町の地図などを表すのに便利です。24 分の1 なら模型やフィギュアのスケールです。
そして1 億分の1 のスケールは地球をメロンに縮め、4 兆倍のスケールは原子核をパチンコ玉に膨らませます。
スケールは全体像の理解を助けます。スケールを用いると、対象を直観的に把握しイメージできます。地図なら迷わず道がわかり、模型なら遊んでみたくなります。
人間は、地球を手にとることも原子を見ることもできませんが、適切なスケールさえ与えられれば、地球を把握し原子をイメージすることができます。太陽系から素粒子までも見わたすことができるのです。
手にとることも見ることもできないものを理解するには、適切なスケールが不可欠なのです。
この本は、茫漠たる宇宙から極微の粒子まで、現代科学が明らかにした世界の全体像を、直感的に把握し理解しイメージできるように、それぞれにぴったりのスケールでとらえなおしてみるものです。
数式はほとんどありませんが、どこのページからでも開き、文字をたどりイラストを眺めるうちに、私たちの住むこの世界についての科学的で定量的な見方が身につくように工夫してあります。
KAERUKOVA さんの正確かつ楽しいイラストがご案内します。
それではこれから、
・fm(フェムトメートル)の原子核から、462 億光年向こうの宇宙の「果て」まで
41桁におよぶ大きさのスケール
・宇宙の観測できる範囲内すべての質量から、測定できないほど軽いニュートリノまで
88桁以上の質量のスケール
・筋肉中のミオシン分子の運動から、光速まで
15 桁の速度のスケール
……など、さまざまな物理量のスケールをお見せします。
これらのスケールを用いて、微塵を覗き、途方もない宇宙を仰ぎましょう。星の重さを量り、ウイルスや細胞と比べましょう。山の成長を眺め、光の速さを追いましょう。極小から極大へ疾走しましょう。
そうしてこの本を読み終えて、あたりを見回すとき、ひょっとしたら、なんだかめまいにも似た感覚を覚えるかもしれません。
その感覚こそ、科学のスケール感です。
私たちが世界を理解するときの感覚です。
著者プロフィール
小谷太郎(こたに たろう)
1967年生まれ。
東京大学理学部物理学科卒。博士(理学)。
理研、NASAゴダード宇宙飛行センターなどを経て現在早稲田大学招聘。著書に『「元素」のスゴイ話 アブない話』(青春出版)、『サイエンスジョーク』(亜紀書房)、『宇宙の謎が手に取るようにわかる本』『私立時計が丘高校 タイムトラベル部』(いずれも中経出版)、『科学者たちはなにを考えてきたか』『物理学、またこんなに謎がある』(いずれもベレ出版)など多数。