コラム

ベレー帽の忘れ物

辻井喬さんの思い出

作家の辻井喬さんが昨年11月に亡くなった。ここにきていろんな追悼特集が目に飛び込んできます。「週刊読書人」では角川春樹さんが追悼文を寄稿していて、それぞれの父親との確執が語られていて興味深く読みました。

この二人の交流はまったく知らなかったので非常に面白い記事でした。その中で紹介されていたエピソードで、映画の道に進みたい息子を持っている堤清二さんが角川映画の春樹さんに相談されたというくだりは新鮮でした。春樹さんの肉声を直に聞いているような文章は迫力があり、あらためて辻井喬さんの追悼コーナーが気になりました。

昨日、新宿の大型店では[セゾン文化の衝撃と大衆消費社会]というフェアをやっていたのでのぞいてきました。ユリイカでも「特集堤清二/辻井喬」を出版していて、それを購入して今読んでいます。一度だけですが、「日本中国文化交流協会」の会合で挨拶をされた堤清二さんを身近で拝見したことがあります。その当時、日本中国文化交流協会の会長で会の冒頭に挨拶をされたのです。私は社長の代理で参加し、壇上の堤清二さん、黒井千次さんなど本の世界でしか知らなかった作家の顔を、ただただミーハー的な憧れで仰ぎ見ていました。伏し目がちで穏やかな語り口で話されていたのがひどく印象的でした。その時の姿を想像しながら辻井喬の小説『茜色の空』『抒情と闘争』を読んだり、上野千鶴子や三浦展との対談集を読んできました。この対談がめちゃめちゃ面白くて、私が今までに読んだ対談集の中でおもしろい本のベスト3に入ります。

2014年02月17日

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