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僕が見ているアメリカ【12】―これだから異国の生活は面白い―

本音と建前

藤井拓哉 (英語)教員 & Yokowo Manufacturing of America Sales Representative

日本人に「アメリカ人に対しての印象」を尋ねると「何でもストレート」「本音で話す」「誰とでもフレンドリー」といった答えがよく返ってくる。一方、「日本人に対する印象」を尋ねると「周りくどい言い方」「真意がわからない(本音と建前)」「仲良くなるまで時間がかかる」という答えが返ってくる。

実は、私もそう思っていた。
アメリカ人は、素直に思ったことを話してくれるから、好き嫌いがはっきりしており、逆に日本人は本音と建前を上手く使い分けるから、本当は何を考えているのかわからないと…… しかし「あれ? これはただの思い込みかも🤔」とアメリカで働き始めてから思うようになった。

アメリカ人こそ本音がわからない

アメリカの場合、一般的に「誰とでもフレンドリー」「ジョークを交えて楽しそうに話す」という側面があるため、みんなとても仲良しに見えたりする。人によっては同僚に対して、

What’s up brother? (どうした、兄弟)

と挨拶をし、仲の良さが伺えたりもする。
休みの日にはホームパーティーに呼んだり、一緒にゴルフに行ったりするのだが……、話を聞いてみると、お互い陰で批判をしたり、愚痴を言ったりということがよくある。仲が良いように見えていたが

What is wrong with that guy? He is really annoying.
(あの男はどうしちゃっているんだ? 彼は本当にうっとうしい)

との発言を聞いた時はさすがにビビった。「おいおいマジか!日頃あれだけ楽しそうに話していて、休みの日にも会う仲なのに、実はあまり好きじゃないの? 😱 全然Brotherじゃないじゃん!😅」と思ってしまった。
ぶっちゃけた話、日本人よりも本音と建前がわからない…… もしかするとアメリカの場合「比較的、誰とでもフレンドリーに交流する文化であるがために、本音と建前の見分けがつきにくい」という側面があるのかもしれない。あるいは「熱しやすく冷めやすい」という性格があって、ちょっとしたことでカッとなってしまい He is really annoying. と感情的に言ってしまったのかもしれない……

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いずれにせよ、本音と建前というのは日本特有のものかと思っていただけにアメリカでも見られるというのには正直驚いた。
だが、インターネットで検索してみると「アメリカの本音と建前文化」を取り上げている記事は意外と多い。
実に興味深いものだ。

4回にわたるシリーズを書き終えて

やはり海外で働くというのは非常に刺激的だ。
留学とは異なり、社会人だからこそ見える世界がある。
「海外で働いてみたいけど、一度社会人になってしまったら海外で働くのは難しいんじゃないか?」と思っている方。
とんでもない! 私が転職したのは、38歳。職種だって全く違う。現在は自動車関係の仕事でその前は英語教員! 諦めなければ道は見えてくるものだ。
私がお手伝いできることがあればいつでも連絡をいただきたい。


記事を書いた人:藤井拓哉(ふじい たくや)
オハイオ州立大学、同大学院で教育学を学び、日本語の教員免許とTESOL(英語を母国語としない方のための英語教授法)を取得。帰国後は、宇都宮大学で英語講師を務める。定期的に数学、化学、物理を英語で学ぶ「理数系英語」の講義も行い、2010年と2013年にベストレクチャー賞を受賞。茨城大学、筑波技術大学、筑波大学、上智大学で英語講師を務める。著書多数。『MP3CD付き ガチトレ英語スピーキング』『60回完成ガチトレ 中学・高校6年分の英文法完全制覇』『たくや式中学英語ノートシリーズ』など。現在、Yokowo Manufacturing of America の営業として活躍中。TOEIC955点、TOEFL101点。

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