書籍詳細

地図はどのようにして作られるのか
成り立ちから読み方、デジタル地図まで、まるごとわかる地図の教科書!

地図はどのようにして作られるのか
著者名
山岡光治
ISBN
978-4-86064-368-3
ページ数
248ページ
サイズ
四六判 並製
価格
定価1,836円 (本体1,700円+税8%)
発売日
2013年10月10日発売

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内容紹介

インターネットやスマートフォンが登場し、地図はますます身近で便利なものとなりました。しかし、その地図がどのようにして作られているかを知る人は少ないかもしれません。実はあらゆる地図の基となる地形図は、気の遠くなるような測量の積み重ねと編集作業を経て作られているのです。本書は国土地理院で地図作成に携わった著者が、地図の作られ方を中心に、その成り立ちや読み方、現代のデジタル地図まで、地図に関する事柄をまるごと解説した、まさに「地図の教科書」です!

著者コメント

(「はじめに」より) 

地図はいま、利用者の世代を越えて身近な存在です。
 書店の旅コーナーには、多彩なガイド本が並んでいて、そこには必ず地図が掲載されています。地図が苦手と言われる熟年の女性たちも、旅やグルメには目がないので、一度ならず眼鏡を額の上にあげて地図を見ているに違いありません。 
 書店の旅のガイド本や道路マップを扱う書棚からは少し離れた場所に位置する歴史書などのコーナーにも、歴史や時代小説などとコラボレーションした大小の地図帳を多く見かけるようになりました。ここからは、いつまでも背広しか似合わない年配男性が、買い求めた地図帳を左手に置きながら読書する姿が想像できます。
 そして、私の知っている常識が非常識になったのでしょうか、最近は季節を問わず就職活動をしている若い男女の姿を目にします。着馴れないスーツ姿で昼間の電車を行き来する彼・彼女らは、必ずといってよいほどネットから取り出したことが一目了然なA4 サイ
ズカラー刷りの紙片を持ち歩いています。いや、それもすぐ過去のものになって、いまや多くはスマホやタブレットの地図を利用しています。もう、この世代の人で紙地図を持ち歩くのを見かける機会は少なくなりました。
 こうしたケータイ世代は、待ち合わせ場所を、現在地を、地図情報とともに苦もなく相手に伝えます。不案内な人には、最短距離で、最短時間で、さらに雨に濡れないルートで、といった多彩な要求に応えつつナビゲートしてくれるサービスもあります。
 そして、安全神話が崩れつつある世相に育つ年少者の行動は、GPS ケータイが把握し、通学の行き帰りも心配でならない若い親に、地図とともに行動状況を知らせ、安全を保証するシステムもあります。
 その見守りケータイの対象者である子どもたちもまた、これまでになく早期に地図との接点を持ち、活用を始めることでしょう。このように、地図の利用場面を列挙することに苦労しません。

 地図に音声案内が付随し、3D 化して映像と区別がつかない時代には、「この場所は、地図のどこなの」という会話は少なくなり、「地図が読めない」は死語になるかもしれません。では、そこで使用されているネット上の地図や、3D 映像と見間違うような地図は、「ほんとうの地図」なのでしょうか。
 いいえ、違います。「ほんとうの地図」は、科学技術を駆使して、国土の姿を克明に記録したものであって、「地形図」と呼ばれます。一般に目にする地図の多くは、この地形図をベースとして作られ、利用されているのです。
 そして、過去に作られた「ほんとうの地図」からは、それぞれの時代の風景を多角的に読み取ることができます。たとえば、当時の交通網は、都市開発は、そして土地利用がどのようなものであったかなどです。これまでは紙に印刷されてきた「ほんとうの地図」は、時々の技術を最大限に発揮して、地球表面のようすを忠実に表現したものです。しかしあくまでも、地上の風景を縮めたものですから、縮尺に応じた正しさを維持しているだけであって、すべてを寸分違わず表現しているものではありません。
 それでも、これまで多くの人が、この「ほんとうの地図」に厚い信頼を寄せてきました。「ほんとうの地図」には眺める楽しさがあります。寄り道する楽しさがあります。書き込みも容易にできます。
 地味ではありますが、国土地理院などの官による「ほんとうの地図」作りの積み重ねが、現在のよい地図製品の登場につながり、いい意味での地図氾濫社会を生み出しているのです。少なくとも私はそう思っています。
 このような(旧来の)地図・地形図に対する私の思い入れを列挙すると、かつての地図の作り手が勝手に抱くノスタルジーに聞こえるかもしれません。そのように思われるのは本意ではありませんから、少しでも科学的・客観的なことから、「ほんとうの地図」すな
わち「地形図」は、どのようなもので、どのようにして作られてきたのか、そして最終章では、いまどこへ進もうとしているのかについて紹介します。
 さらには、地図の作り手は「ほんとうの地図」をどのように利用してほしいと願っているのか、どのように発展してほしいと願っているのか、などについても触れてみたいと思っています。
 その結果、いくらかの読者が「地図を楽しむ国」へと足を踏み入れることになれば、本書の目的は果たしたも同然です。

著者プロフィール

山岡 光治(やまおか みつはる)

1945年横須賀市生まれ。元国土地理院中部地方測量部長。
1963年道立美唄工業高校を卒業、同年国土地理院に技官として入所、2001年同院退職、同年(株)ゼンリン入社、2005年退社。
その後、人それぞれの地図の楽しみ方を知ってもらいたいとして執筆・講演・街歩きなどをしている。
著書には『地図に訊け』(ちくま書房)、『地図を楽しもう』(岩波ジュニア新書)、『地形図を読む技術』(サイエンス・アイ新書)、『地図をつくった男たち』(原書房)などがある

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