書籍詳細

「化学の歴史」が一冊でまるごとわかる
化学はどのように生まれ、発展してきたのか

「化学の歴史」が一冊でまるごとわかる
著者名
齋藤勝裕
ISBN
978-4-86064-684-4
ページ数
224ページ
サイズ
A5判 並製
価格
定価1,760円 (本体1,600円+税10%)
発売日
2022年03月14日発売

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内容紹介

「化学とは何でしょうか?」科学には、化学だけでなく、物理学、生物学、天文学、地質学など、いろいろな分野があります。同じ「科学」の中で、化学と他のサイエンスとの違うところは、「化学は物質を扱う」という点です。化学はすべての物質を「原子、分子」の段階にまで還元して研究する科学なのです。本書では、その化学がどのように生まれ、発展してきたのか。錬金術と呼ばれるものがどのように化学の発展に寄与してきたのか。化学者たちがどのような法則・定理をつくってきたのかを丁寧に解説し、量子化学、実験化学、ゲノムが開く生命化学の話へとつないでいきます。「化学の歴史」を俯瞰することができる入門書です。

著者コメント

(「はじめに」より)

 人類はその歴史の黎明期から星を眺めて永久を想い、花を眺めては生命を想ってきました。「永久」とか「生命」とは、「物質の究極の構造と性質」と言い換えることができるでしょう。
 古代人は五行説(火・水・木・金・土)によって自然の移ろいを説明し、原子論によって自然の構造を説明しました。「原子論で説明した」というと、古い時代から現在の「原子」の存在を知っていたのかと思うかもしれませんが、そうではありません。それらは空想的な観念論であり、自然の観察や実験に裏付けられたものではありませんでした。
 その後、中世の錬金術の時代、さらには大航海時代、産業革命時代の即物的な経験を経て「ニュートン力学」が誕生し、それに呼応しながら20世紀初頭の近代化学が誕生したのです。しかし、それは同時に近代化学の限界の露呈の始まりでもありました。というのも、20世紀に入ると相対性理論と量子理論が誕生し、物理と化学の世界は激動の時代に突入するからです。
 相対性理論は長大 ・高速を研究する極大の理論です。それに対して量子理論は微小・真空を研究する極小の理論です。化学は量子理論をとり入れ、「量子化学」というまったく新しい化学分野を確立しました。物質と量子理論をつなぐのが量子化学であり、その手段となっているのが分子軌道法的な量子化学計算です。現代化学を説明する際、量子理論に触れないのはあまりに無謀といわざるをえません。
 一方、生命を研究対象とする生命化学は20世紀に入ると核酸(DNA、RNA)の構造を明らかにし、その立体構造、遺伝における役割分担を明白にしました。その後の研究の進展には驚異的なものがあり、特に遺伝子工学は生物の種の維持を脅威にさらすほどのものになりつつあります。
 化学は今、危険な領域に達しているのかもしれません。というのは、20世紀初頭、相対性理論によって進化した物理は「万能」を手に入れたかのように急発展を続け、原子核の扉をこじ開けた末に原子爆弾をつくってしまったからです。現代化学も、それと同様な状況にあるのかもしれない、と思うからです。

 化学史は、化学を学ぼうとする人たちにとって、先人の遺してくれた貴重な遺産です。過去の化学を研究し、化学を牽引してきた偉大な先人たちの成功や失敗の例を学ぶことは、これから将来の化学を担っていく研究者にとって、研究のいろいろの場面において貴重な解決の糸口を与えてくれることでしょう。
 また、何事にかかわらず、一つのことに全身全霊を傾けた人々の生き方は、たとえ化学に関係しなくても、多くの読者の方々の心を揺さぶることでしょう。そしてそれぞれの方々がそれぞれの領域で、全身全霊を傾けようという意志と力を駆り立ててくれることでしょう。
 本書を読まれた皆様が、化学の進んできた道を想い、これから進むべき道に想いを馳せ、現代化学の行く末を見守ろうというお気持ちになってくださったら、著者のこの上ない喜びとするところです。

著者プロフィール

齋藤勝裕(さいとう・かつひろ)

1945年5月3日生まれ。1974年、東北大学大学院理学研究科博士課程修了、現在は名古屋工業大学名誉教授。理学博士。専門分野は有機化学、物理化学、光化学、超分子化学。
主な著書として、「絶対わかる化学シリーズ」全18冊(講談社)、「わかる化学シリーズ」全16冊(東京化学同人)、「わかる× わかった! 化学シリーズ」全14冊(オーム社)、『マンガでわかる有機化学』『毒の科学』『料理の科学』(以上、SB クリエイティブ)、『「量子化学」のことが一冊でまるごとわかる』『「発酵」のことが一冊でまるごとわかる』『「食品の科学」が一冊でまるごとわかる』『「物理・化学」の単位・記号がまとめてわかる事典』(以上、ベレ出版)など。

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