2025.11.24 NEW 社長コラム ベレ出版、海外進出!? 過去にも何度かここで書いていますが、毎年11月1日は「本の日」、10月下旬から11月中旬は「読書週間」とされていて、この時期は本に関するイベントが多数予定されています。神保町ブックフェスティバルのような一般読者向け(いわゆるB to C)のものが多いですが、出版社と書店の商談会といったビジネス関係(B to B)の催しもいくつか行われます。 そのひとつ、「TOKYO RIGHTS MEETING」(TRM)というイベントにベレ出版として初めて参加しました。TRMの別名は「東京版権商談会」。日本と海外の出版社が集まり、版権売買の商談を行います。ちなみに版権売買は文字通り「売る」ことも「買う」こともあるのですが、ベレ出版は専ら「売る」方です。「ベレ出版の本を翻訳して売りたい!」と考える海外の出版社やエージェントとミーティングして、「こんな本ありますよ」「この本、売れそうじゃありませんか?」などとアピールするわけです。最近、最大手の出版社が軒並みとんでもない好業績を上げていますが、その一因が海外展開です。コミックや文芸書だけでなく、ビジネス書や実用書でも、海外での売上が国内を上回る本もたくさんあるらしいです。国内はこれから人口減少社会になりますから、海外に活路を見出そうとする出版社は多く、出展社数も増加しているようです。 ただ、実は私の場合、ビジネスチャンスに鼻息を荒げるという感じではなく、「盛り上がってるみたいだし、なんかおもしろそうだなー」という極めて軽いノリで申し込んでしまったのでした。すみませんでした。海外の出版社さんに版権を買っていただいた実績がないわけではないので、期待していないわけではありません。これまでの取引相手国は台湾、韓国、中国といったアジアが多いのですが、中国なんて人口が日本の10倍もありますので、当たれば大きいですね。 ただ、ベレ出版として本を企画する際、語学書であれば「日本語話者が学ぶこと」を考えて作ります。教養書の場合は、学びなおしというコンセプトもあり、「日本の学校教育を経た大人」を想定読者に置きます。ここは企画の肝なので、海外市場に目がくらんでブレてしまったら本末転倒です。私としては、海外は「あくまでオマケ(でも、たまに大きいオマケがもらえたら嬉しいなぁ……)」くらいの意識に留めるようにしています。 出版社の中には、企画を考える際に明確に海外展開を意識しているところもありそうです。それを何ら否定するものではありませんが、ベレ出版に関しては小さい出版社、小商いなので、視野を広げすぎず、まずは近くにいる読者のために本を作ることを徹底した方がいいだろうと思います。面白がって出展した、と言いましたが、いろいろな海外の出版社さんとお話しして本を薦めるのは新鮮で、実際楽しかったです。成果が出るかはまだわかりませんが、ドキドキしながら正式オファーが来ないかと待っているところです。