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これならわかる!英語ができるワークブック
清水建二

写真:これならわかる!英語ができるワークブック

 私にとって初の一般社会人向け語学書は「英文法・日本人が繰り返す200の間違い」(ベレ出版)でした。当時、進学の名門・埼玉県立浦和高校で教鞭を執っていた私は、生徒のニーズに応え、それまでの自分の英文法に関する知識をブラッシュアップするために、10冊近い英文法の原書を片っ端から読みあさった結果できた本です。本のコンセプトは、主に受験参考書や問題集に原因があると思われる、英語に関する間違った知識を正すためのものでしたが、内容的にかなり専門的要素が強かったために、多くの読者の目に触れることはありませんでした(涙)。
 ちょうどその頃、英語本としては極めて希にミリオンセラーになった本がありました。初心者向けの本であったので、書店で立ち読みしただけで、細かい内容については全く知りませんでした。ところが、数年前、学校の図書館で、ふとその本が目に入った時に、「未だに読まれている本には、きっと何かがあるに違いない」と思い、読んでみることにしました。文法用語を一切使わない、イラストが豊富などなど様々な工夫があって、「なるほど!これは今までになかった形の本だ!」というのが率直な感想でした。しかし、内容的に見過ごせない箇所がありました。一カ所であるならば見過ごすことはできたのですが、その部分こそが、正にその本の根底を支えるものであったので、大人げないと思いながらも、不快感と苛立ちを禁じ得ませんでした。
 見過ごせない部分とは「英語は単純に重要な順番に並べていけばいい」という箇所でした。確かに、この説明は英語学習の導入部分としては、わかりやすく、すっきりしていて、英語は学習しやすいものである、という印象を与える点では、多くの読者を引きつけたと言えるでしょう。しかし、この理論で勉強を進めて行くと途中、様々な矛盾にぶつかり、極端な話、そこから先に進むことができなくなってしまうのです。そういう意味では、この本の功罪は罪の方が大きいと私自身は思っています。
 本書は、これとは正反対の「英語は重要なものほど文の後の方で伝える」という英語の特徴を根底に論理を展開しています。実は、この内容は、先に挙げた拙著「英文法・日本人が繰り返す200の間違い」の土台となっているものですが、英語初級者に理解できるように、イラストをふんだんに使って解説しました。特に今回は、イラストと解説のマッチングを重要視し、出版の半年以上も前から、イラストレーターさんと綿密な打ち合わせを重ね、最高の本を作り上げることができました。
 本書のターゲットは、もちろん、初級者や入門者ですが、内容的には、かなり奥深いもので、英語中級者や英語を教えている人たちにも是非、読んでいただけたら、と密かに思っています。そんな人たちが読んでも、きっと随所に「目から鱗」的な解説が見られるものと確信しております。
 本書が一人でも多くの読者の目に触れることを願っています。

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