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  • 編集部コラム

チューリングとApple

先日、映画『イミテーションゲーム―エニグマと天才数学者の秘密』を観ました。第二次世界大戦でのドイツ軍が誇るエニグマ暗号の解読と天才数学者アラン・チューリングの悲劇的な人生を描いた作品です。

アラン・チューリングは現在のコンピュータ科学の生みの親として知られ、偉大な足跡を残しました。ちなみに映画タイトルはチューリングの論文タイトルです。しかし戦後、スパイ嫌疑をかけられたうえ、同性愛の罪で逮捕されます(当時のイギリスでは同性愛はなんと犯罪だったのです)。チューリングは性向の矯正(化学的去勢)を受け入れることによって入獄を免れますが、結局1954年に41歳で自らの命を絶つことになります。そのベッドのそばには青酸化合物が塗られた「かじりかけのリンゴ」が落ちていました。

さて、ここで「かじりかけのリンゴ」で思い当たることはないでしょうか?そうApple社のマークです。Appleはマークの由来を公式には発表していませんが、一般には天才物理学者ニュートンの万有引力の逸話(木から落ちるリンゴ)と“bite”(=かじる)とコンピュータ容量の単位“byte”をかけたものだと言われています。しかし、スティーブ・ジョブズが、どこまでアラン・チューリングのことを知っていたかわかりませんが、ワタクシはこの二人の天才の偶然?のつながりに思わず鳥肌が立ってしまいました。そして、この映画のなかで何度か登場したセリフが重なったのです。

「誰も想像すらしなかった者が、誰も想像すらしなかったことを成し遂げる」。次にリンゴをかじるのは誰でしょうか。

モリ

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