コラム

ぶかぶかのベレー帽

文字の大きさ

先日ふと家にあった古い『老人と海』の文庫(新潮文庫 58年 57刷)を手に取りました。たぶん以前読んだのは〇十年前のこと。ストーリーの概要は覚えていますが、それ以外の記憶はまったくない本でした。そしてパッと開いてみた第一印象、字が小さい…! 普段編集作業で使っている級数表で早速文字の大きさを調べてみたら11級(7.5P)でした。11級といえば、私が編集する際には注釈で使う文字の大きさです(語学書ですが、日本語本文は12.5~13級、注釈は9~11級を使うことが多いです)。ちなみに新しい文庫本でも測ってみましたが、今の本は12~13級のようで、たった1級程度の違いですが、本を開いた時の印象はこうも違うんですね。

普段の本作りの中で、文字の大きさはいつも悩みます。実はこのところ立て続けに著者の先生から「本文はいいのですが、注の文字の大きさは私のような年配者にはちょっと大変かもしれません」「老眼にはしんどい文字の大きさですが、目をこらしてチェックしますね」と言われたんです。学習者の中には小さい文字だと見づらい…という方もいらっしゃるけれど、ただ大きければ読みやすいというものでもありません。適当な文字の大きさってどれくらいなんだろう…という自問自答を、特にこのところずっと繰り返しているような気がします。

そしてちょっと小さいかな!?と思う時に、還暦を過ぎた編集者にゲラを見せて「小さいですか?」と聞くと、意外とその編集者は「むしろ私はもっと小さくても大丈夫!」と言うのでまた悩む…。

今のところ老眼の兆候は出ていませんが、近い将来、私の作る本も少しずつ文字の大きさに変化が現れるのかもしれません。

シンタニ

2017年05月25日

書籍詳細検索

フリーワード
カテゴリー
絞り込みオプション
 
×閉じる

ページのトップへ