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  • 編集部コラム

ヤンゴンの環状線に乗る

メディアを通じてミャンマーのニュースを聞くことが増えてきました。

2年前にヤンゴンに5泊滞在し、ミャンマーの普段の穏やかな時間を体験したささやかなつながりですが、今のミャンマーで生活している人たちが気がかりです。ヤンゴンの街のいたるところに日本の顔を感じました。ヤンゴン川の対岸とを結ぶフェリーの建設に日本が協力したり、ヤンゴン市内の環状線に日本製の古い電車が使われていました。その環状線はヤンゴン駅から3.5時間ぐらいをかけてまた元の駅に戻る日本の山手線のようなものです。電車内のドアはすべて開放されていて自転車とおなじぐらいのスピードで走ります。電車は日本製で、JR東日本、JR東海などの日本語の文字があちこちに見られます。電車内にはミャンマーの人たちの生活がそのまま見られ、今晩のおかずにするのか車内で売っているお惣菜を買っている人もいました。水、傘、アイスキャンデーを売る人、麺類の入った大きなカゴを頭にのせて、車中でビニール袋に麺を入れ、具材を入れ、汁をかけて手渡しします。生活の縮図のような時間が車中に流れます。私自身がこの時間の流れはどこかではるか前に体験したような懐かしさを感じました。日本の生活を40年前にタイムスリップしたような活気のある車内です。車窓からは洗濯物がかけられている庭先や家屋が見え、人の動きも車内からゆっくり観察できます。街のなかに仏塔(パゴダ)が立てられ、その中でも大きいシュエダゴンパゴダの姿は街の遠くからも眺められ、近代的なビル、縦横に走っている幹線道路の向こうに黄金の姿を見せてくれます。

早く平穏な日常に戻ることを心から願っています。そしてまたあの懐かしさの残っている環状線に乗ってみたいです。

ワキヤマ

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