書籍詳細

「半導体」のことが一冊でまるごとわかる
「産業のコメ」といわれる半導体について、やさしくわかりやすく解説

「半導体」のことが一冊でまるごとわかる
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著者名
井上伸雄蔵本貴文
ISBN
978-4-86064-671-4
ページ数
224ページ
サイズ
A5判 並製
価格
定価1,760円 (本体1,600円+税10%)
発売日
2021年11月11日発売

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内容紹介

国の経済を左右するほどの存在である「半導体」とは一体何なのでしょうか。何がすごいのでしょうか。どのような種類と役割があって、どのような分野で活躍しているのでしょうか。本書では、「半導体」の原始のころの話からはじまり、ICやLSI、メモリやLEDまで、その仕組みを科学的に易しく解説していきます。日本の通信技術の黎明期からその現場の最前線に立っていた著者だから書ける、技術史要素も多く含み、先端技術までしっかり解説しながらも時代に流されない入門書です。

著者コメント

(「はじめに」より)

 「半導体を学ぶ近道は、その歴史を学ぶこと」今の私はこう確信しています。

 私はライターでありますが、半導体業界の一線で、エンジニアとしても働いています。だから、あるべき半導体の入門書はどうあるべきかをよく考えていました。
 しかしながら、それは難しいものでした。なぜならば、現在の半導体業界は技術が非常に高度になり、細分化されているので、全体を見渡すことが困難だからです。

 例えば、私の専門は「モデリング」という技術で、トランジスタ等の電気特性をシミュレーター上で再現するためのパラメータ抽出を行なっています。この技術は半導体業界に必要不可欠なものです。しかし一般の方はおろか、新卒時に技術系採用された理工系大学院卒の同期に対してさえも、その専門性の高い技術を説明することは容易ではありません。
 こんな高度な個別技術を多数内包する半導体技術を、一冊の本で語る方法なんてあるのだろうか、不可能なのだろうと考えていました。

 そんな時に、この本の執筆の話を頂きました。井上伸雄先生がご逝去され、その遺作である本書『「半導体」のことが一冊でまるごとわかる』の原稿を引き継いでほしい、とのことでした。
 折しも、この話を頂いたのは2021年で、半導体の供給不足によって、社会全体に大きな影響が出ている時でした。半導体への注目が高まっていたのです。だから、ぜひ半導体技術の全体像が理解できる本を、と考えました。しかし、それは簡単ではありません。

 そして、最初に井上先生の原稿の目次を頂いた時、正直にいって、苦笑してしまったことを覚えています。というのも、中身が昔の話ばかりで現代の半導体業界で使える知識とは思えなかったからです。
 しかしながら、その原稿を読ませて頂いて、思いが変わりました。なぜなら、その原稿がとても面白かったからです。井上先生は半導体業界の黎明期に詳しく、その当時の人間模様も含めて原稿にされていたのです。

 しかも原稿を読んでいてあることに気づきました。現代の半導体業界は総売上高50兆円の一大産業に成長し、世界中の大勢のエンジニアが製造や開発に携わっています。だから、その技術をわかりやすくコンパクトにまとめることは不可能です。
 しかし、その黎明期に立ち戻れば、数十人のエンジニアで製造や開発を行なっていた時代があり、その規模であればコンパクトに文脈を理解することも可能であるということです。

 そして、詳細に個々の技術の内容を見ていると、CMOSやマイクロプロセッサや半導体メモリの原理など、半世紀ほどの時を超えても変わらない、根本的な技術があることがわかりました。
 IT業界はドッグイヤーといわれるほど技術の進歩が速い業界です。その核である半導体技術も、枝葉の部分は目まぐるしく変わっていきます。しかし幹となる根本思想は意外に変わっていないことに気づいたのです。
 特に半導体を利用する立場のエンジニア、ビジネス観点で半導体業界を眺めるビジネスマンにとっては、この根本思想を理解するだけで大きく視界が開けるでしょう。

 本書は、半導体技術の基礎や歴史を描いた井上先生の原稿をベースに、現在半導体業界の最前線でエンジニアとして働く私が、現代の半導体技術への足掛かりとなれるように編集し、足りない内容を加えていきました。
 それぞれの基本的な技術の詳細だけではなく、なぜその技術が必要となったか、その文脈を理解できるように配慮しました。

 この本を一冊読んだだけで、現代の半導体技術のすべてを理解するというわけにはいきません。しかしこの本で語る、根本技術の背景や文脈を理解することにより、最新の半導体技術の理解が、はるかに容易になることをお約束します。

 それでは、広大な半導体技術の根本を学んでいきましょう。
 まず「半導体は何の役に立つのか?」「半導体はどんなものがあるのか?」といった基本的な疑問に対し、短くお答えすることから始めていきます。さあ、序章へ進んでください。

著者プロフィール

井上伸雄(いのうえ のぶお)


 1936年福岡市生まれ。
 1959年名古屋大学工学部電気工学科卒業。同年日本電信電話公社(現NTT)入社。電気通信研究所にてデジタル伝送、デジタルネットワークの研究開発に従事。1989年多摩大学教授。同大学名誉教授。工学博士。
 電気通信研究所では、わが国最初のデジタル伝送方式の実用化に取り組み、それ以降、高速デジタル伝送方式やデジタルネットワークの研究開発に従事するなど、日本のデジタル通信の始まりから25年以上にわたり、一貫してデジタル通信技術の研究に取り組んできた。
 NTTを辞めた1989年ごろから、日経コミュニケーション誌(日経BP社)にネットワーク講座の連載を執筆したのをきっかけに、通信技術をやさしく解説した本を書くようになった。これまでに執筆した主な著書は、『情報通信早わかり講座』(共著、日経BP社)、『通信&ネットワークがわかる事典』『通信のしくみ』『通信の最新常識』『図解 通信技術のすべて』(以上、日本実業出版社)、『基礎からの通信ネットワーク』(オプトロニクス社)、『「通信」のキホン』『「電波」のキホン』『カラー図解でわかる通信のしくみ』(以上、ソフトバンククリエイティブ)、『図解 スマートフォンのしくみ』(PHP研究所)、『モバイル通信のしくみと技術がわかる本』(アニモ出版)、『通読できてよくわかる電気のしくみ』『情報通信技術はどのように発達してきたのか』『「電波と光」のことが一冊でまるごとわかる』(以上、ベレ出版)など多数。
 趣味は海外旅行(70回にわたり訪れた国は40ヵ国以上)と東京六大学野球観戦。昭和20年秋の早慶戦以来、ほぼ毎シーズン神宮球場に足を運んだオールド・ワセダ・ファン。2020年12月逝去。



蔵本貴文(くらもと たかふみ)

 香川県丸亀市出身、1978年1月生まれ。関西学院大学理学部物理学科を卒業後、先端物理の実践と勉強の場を求め、大手半導体企業に就職。現在は微積分や三角関数、複素数などを駆使して、半導体素子の特性を数式で表現するモデリングという業務を専門に行なっている。
 さらに複業として、現役エンジニアのライター、エンジニアライターとしての一面も持つ。サイエンス・テクノロジーを中心とした書籍の執筆(自著)、ビジネス書や実用書のブックライティング(書籍の執筆協力)、電子書籍の編集・プロデュースなど書籍中心に活動している。
 著書に『数学大百科事典 仕事で使う公式・定理・ルール127』(翔泳社)『解析学図鑑: 微分・積分から微分方程式・数値解析まで』(オーム社)『学校では教えてくれない!これ1冊で高校数学のホントの使い方がわかる本 』(秀和システム)がある。

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