書籍詳細

地理学で読み解く流通と消費 コンビニはなぜ集中出店するのか
身のまわりで起こる「街」「お店」「買い物」をめぐる変化について地理学的に解説

地理学で読み解く流通と消費 コンビニはなぜ集中出店するのか
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著者名
土屋純
ISBN
978-4-86064-695-0
ページ数
287ページ
サイズ
A5判 並製
価格
定価1,980円 (本体1,800円+税10%)
発売日
2022年07月14日発売

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内容紹介

「地方の百貨店や商店街はなぜ衰退しているのか」「コンビニはなぜ集中出店するのか」「ユニクロはなぜロードサイドから都心部に展開するようになったのか」「イオンはなぜ田園地帯にできるのか」。これらは皆、地理学的視点で説明できるのです。実は私たちの流通や消費は、自然環境や都市構造など地理的な要因によって、少なからず影響を受けています。本書では、コンビニ・スーパー・ファッションブランドなどの出店戦略や配送システムなどについて、その実態と変化を地理学的な観点から明らかにしていきます。また、「シャッター商店街」「買い物難民」など消費をめぐる問題、災害時の流通、そしてネット通販など変わりゆく流通・消費についても迫ります。ビジネスマン必須の教養として、私たちに身近な小売・流通がどのように成り立っているかがわかる一冊です。

著者コメント

(「はじめに」より)

 地理学の観点から、コンビニやユニクロ、イケアの出店戦略や販売手法が分析できるといったら驚かれるでしょうか。これらの流通企業は、多くの消費者を引きつけるために日々新商品を開発し、事業を革新させています。そうした流通企業の成長は、私たちの消費生活を時代とともに変化させてきました。実は、こうした流通や消費の変化は、日本の地理的環境や変化に影響を受けたものなのです。例えば、1990 年代に日本の地方都市が大きく郊外化すると、ユニクロが急成長しました。つまり、日本の地理の変化に注目することで、様々な流通や消費の実態がみえてくるのです。
 一般的に地理は、遠い世界、例えば、ヨーロッパやアフリカなどの世界の様子を学ぶもの、と思われている方が多いでしょう。中学校や高校の地理では、世界だけでなく日本も学びますが、授業では九州地方、四国地方……、最後に北海道地方、というように、地方ごとに自然や人間社会の有様を扱います。このように中学校や高校の地理では、自分やその周辺から離れ、世界や日本を大きく地域区分した上で、地理的知識を体系的に学んでいきます。しかし本書では、このようなアプローチを採用しません。身近な存在である流通や消費をテーマとして、地理的状況との関わりを解説していきます。
 もちろん本書では、地名等の暗記は目的としません。中学校や高校で地理が苦手だったという人は多いと思いますが、河川や山脈の名前、首都などの地名を覚えなければならなかったこともその一因かもしれません。中学校や高校の地理では、そうした知識を習得することも重要ですが、本書を手に取っていただいた方々は、すでに仕事や旅行などを通してある程度知っていることでしょう。本書を読めば、皆さんのそうした地理の知識が、深い「理解」に結びつきます。
 なお本書は、第1章で日本の地理的特徴を概観した後、次の6つのテーマに注目します。第2~3章では「①人口移動と地域市場」、第4~7章では「②都市階層と買い物空間」、第8~10章では「③国土空間の圧縮と流通革新」、第11~12章では「④高齢化社会と流通・消費」、第13~14章では「⑤地域性の消失・再構築」、第15~17章では「⑥持続可能な社会と流通・消費」について解説していきます。
 なお、それぞれのテーマは完結するようにまとめていますので、興味のあるところから読んでいただいても構いません。また、6つのテーマはお互いに関連しているので、それぞれをそのつながりとともに理解していただきたいと思います。
 それらに加えて、16のトピックスを盛り込みました。トピックスでは、中学校や高校の地理で取り扱わないような内容、例えば、国道16号沿線、離島のコンビニなどを取り上げ、近年の日本地理や流通・消費の特徴を示しました。このように様々な流通と消費について解説していますので、皆さんの興味・関心に合った内容を本書から読み取っていただきたいと思います。
 本書は、地理学を中心として様々な文献を参考にしています。本来であれば、それぞれの引用箇所に出典を示すべきですが、読みやすさを重視するため、章末に参考文献をまとめました。図表と写真には出典を示していますが、一部の図については原図をもとに作図し直しています。
このように、多くの地理学研究の成果が盛り込まれた本書を楽しんでいただきたいと思います。

著者プロフィール

土屋 純(つちや じゅん)

関西大学文学部 地理学・地域環境学専修 教授。博士(地理学)。
1971年群馬県生まれ。1999年名古屋大学大学院文学研究科 博士課程後期満期退学、2001年博士(地理学)取得。日本学術振興会特別研究員、名古屋大学大学院 環境学研究科助手、宮城学院女子大学 学芸学部 人間文化学科准教授、同教授、宮城学院女子大学 現代ビジネス学部教授を経て、2019年より関西大学文学部教授。専門分野は経済地理学、都市地理学。日本における流通システムと都市構造の再編成について研究するとともに、インドなどのアジア諸国での流通や消費についても調査・分析している。
主な編著書には、『小商圏時代の流通システム』(古今書院2013年)、『論文から学ぶ地域調査』(ナカニシヤ出版2022年)がある。主な共著には、『日本の流通と都市空間』(古今書院2004年)、『人文地理学』(ミネルヴァ書房2008年)『東日本大震災研究Ⅰ 東日本大震災からの地域経済復興への提言』(河北新報出版センター2012年)、『人文地理学への招待』(ミネルヴァ書房2016年)、『経済地理学への招待』(ミネルヴァ書房2020年)がある。

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