2025.07.22 NEW 社長コラム 自然科学分野は伸びしろですよ! ベレ出版の主要取り扱いジャンルは 語学、自然科学、地理歴史 となっています。自然科学というのは、いわゆる理系科目になるわけですが、ベレ出版の社員に理系出身者はとても少ないです。実は、一人しかいません。出版・書店業界全体でも、統計を取ったわけではありませんが、理系出身者はかなり少ないのではないかと思います。文芸書や人文書が好きで業界に入った方を中心に、圧倒的に文系出身が多い印象です。 先日、図書館関係の方と話したときにも、同じような話になりました。図書館でも文系出身者が大半で、どうしても理工系の知識が不足しがちで、商品選定や並べ方がわからず苦労する方が多い、と仰っていました。書店さんでも、同様に理工系の棚作りに苦労している方は多そうです。 内閣官房 教育未来創造会議 の第一次提言資料(2022年5月)によりますと、自然科学(理系)の単位取得者の割合は全体の35%程度とされています。これを世界トップレベルの50%程度まで持っていきたいそうです。それは結構なことですが、それはさておき、現状でも、大学卒業者の35%程度、三分の一は理系なわけですから、理系書籍の需要も決して小さくないはずだ、と想像するわけです。その反面、出版業界内には理系出身者が少ないという状況からすると、理系出身者をターゲットにした書籍が不足していそうですし、書店さんや図書館さんのコーナー作りの面でも改善の余地がありそうな予感がします。おまけに、引用した通り、国策としても理系を育成していく流れがあるわけです。ということを踏まえまして、私は 出版・書店業界において、自然科学系のジャンルは伸びしろですよ!! ということを業界の皆さんに訴えていきたい。無責任に。と思っています。 ちなみに、編集者の場合だと、担当ジャンルの知識が一定程度は必要ですが、知識があればあるほど良い、とは必ずしも言い切れないところがあると思います。さほど知識がない場合でも、やさしい入門書などを作る際には読者目線に近いのでわかりやすさ、読みやすさをうまく表現できる場合があります。もちろん、ジャンルに精通していれば、その知識を活かした企画ができるので、どちらが良い・悪いということではなく、一概には言えないということです。