2025.06.23 NEW 社長コラム 順不同です ベレ出版の編集部は「第一編集部」と「第二編集部」の2つに分けられています。第一編集部は、英語を始めとする語学ジャンルの編集、第二編集部は、数学を含む自然科学と社会(地理歴史)ジャンルの編集を担当しています。以前はまとめて一つの「編集部」でしたが、数年前に思い立って、2つに分割したのでした。 ちなみにベレ出版には、さほど多くありませんが、日本語(国語)分野の書籍があります。この分野は分割前は語学編集が担当していましたが、今は第二編集部の守備範囲ということにしています。 ベレ出版の出版方針は「生涯学習のテキスト」となっていますが、生涯学習といっても幅広く、そこからさらにジャンルを絞り込んでいます。人に説明するときには「中学・高校のいわゆる五教科(国語・数学・理科・社会・英語)の範囲」と言っています(ただし、語学については英語以外の外国語も取り扱っています)。 第一と第二は、簡単に言ってしまうと「語学と、それ以外」で分けているのですが、そのようにした理由は、読者(学習者)が求めている期待や効能、体験が異なると思っているからです。語学書を買う方は、その多くが旅行、留学、海外赴任といった目的を達成することを目指して学んでいます。確実にスキルが身につくことや効率的に学べることが求められ、そのためのわかりやすい解説、説得力、見やすいレイアウトなどが求められます。また、競合サービスとしては他の語学書だけでなく、英語学習アプリや英会話学校などを意識する必要があります。一方で、自然科学や地理歴史は、必ずしも何ならの目的達成の手段ではなく、新しい知識を得ること、学ぶこと自体を楽しみたい、という教養的関心を持った読者が多いと考えています。その期待に応えるには、興味関心を集めるテーマを見つけられるか、それを魅力的に説明できるか、という視点がより求められます。ただ、その中でも計算や統計、GIS(地理情報システム)など、スキルと呼べるものもありますので、すべてにおいて「楽しむ」に主眼が置かれるわけでもありませんが。競合は、テレビのドキュメンタリー番組だったりするかもしれません。 学習といっても一括りにはできませんが、実用か、教養か、というところはかなり明確に分かれるところです。それによって戦略が異なるのではないか、と思ったことが第一・第二に分ける契機となっています。日本語を第二編集部の範囲にしたのも、日本語は日本語話者にとっては「既に身についたスキル」と捉えられるので、むしろ教養的な観点で作った方がいい、という判断です。 ベレ出版は語学からスタートしたので、語学部門を第一編集部としましたが、もちろん優劣はありません。それぞれの観点から「読者に何を求められているか?」をさらに追求して、ベレ出版の二本柱として今後も育てていきたいと思います。