コラム

ぶかぶかのベレー帽

水戸を走る

昨年10月末、「水戸黄門漫遊マラソン」に出場しました。と書いて、そういえば前回は「山中湖ロードレース」の話でした。その時のタイムが過去最低だったこともあり、リベンジ魂燃えるなかで、思わず申し込んでしまったのです。人生初のフルマラソン! しかし山中湖の反省を活かせず、結局走り込み不足で大会日を迎えてしまいました。あいにく雨が降ったりやんだりの天気でしたが、走るにはちょうどよい気温。順調な走り出しで、20km地点までは上々のペースを維持していました。「これならサブ4を狙えるな」なんて、いま考えればおこがましい思いも浮かんでいました。しかし23kmを過ぎたあたりで抜かれることが多くなり、25km地点でピタリと脚が止まってしまったのです。これまでどんなに辛くても歩いたり止まったりしたことなんてありません。しかし太ももが痙攣し、走り出そうとすると脚がつりそうになります。まだ半分しか来ていない段階で「棄権」の二文字が頭をよぎりました。とにかく前に進まなければと、歩いて、少し走って、を繰り返しながら35km地点まで来ました。すると、沿道で応援してくれていたファミリーが「エアサロンパスあります!」と声をかけてくれました。太ももにスプレーしてもらうと、メキメキと気力が湧いてきて、再び走り出すことに成功! なんとか最後まで走り切ることができました。タイムは4時間34分。水戸市民総出の応援がホントに力になりました。

私の好きな村上春樹のエッセイ『走ることについて語るときに僕の語ること』の中に「もし僕の墓碑銘なんてものがあるとしたら、〔少なくとも最後まで歩かなかった〕と刻んでもらいたい」という一節があります。私は今回この墓碑銘の資格を失いましたが、「少なくとも最後まであきらめなかった」人生にするべく走り続けたいと思います。

モリ

2020年01月23日

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