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  • 編集部コラム

私の居場所はミニシアター

シチリアを舞台にした名作映画に『ニューシネマパラダイス』があります。主人公のトト少年の父親は第二次世界大戦のためロシアへ行き生死不明。トトの毎日の楽しみは村にただ一つある映画館に行くこと。もちろん村人の娯楽も映画を見ることです。トトに映写の技術や、人生のことを教えてくれたのは親子ほど年の離れた映写技師のアルフレッド。「村を出て、世界を見てこい、村に帰るな」と背中を押したのはこの映画技師アルフレッド。ローマに出て有名な映画監督に成長したトト少年は、自身の体験を投影した映画『ニューシネマパラダイス』を作ります。シチリアの空の青さと村の映画館に集まった村人たちの無心な笑い顔を改めて見直したくなって、テレビでの数度目の鑑賞となりました。私の週末の楽しみはミニシアターでの映画鑑賞。金曜日の夕刊に映画情報が載るので、そこに目を通し土日に見たい映画を決めます。新型コロナウィルス感染拡大のこの時期、映画館は軒並み休館、新作は延期になっています。暗いミニシアターの座席(できれば一番前か二番目)にゆったり腰掛け、足を組んで、大画面を見上げて、映画の世界に浸りたいものです。映画館も、本屋さんもそこで時間を過ごして外に出ると少し景色が違って見えるような、世界が拡がるような場所です。そんなことを感じた春でした。

ワキヤマ

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