本書はデジタル地図を存分に活用するための手引き書です。別の言葉で言い換えると、GIS(地理情報システム)のやさしい入門書です。ではGISとはなんでしょうか? 聞いたことがないという方でも、実はほとんどの方がすでに利用しています。カーナビや地図アプリで行きたいお店を表示することは実はGISなのです。
本書では、「GISとは何か」「GISで何ができるのか」から始めて、オープンデータの入手や利用の仕方を含め、趣味やビジネス、防災など主要な用途での活用方法をやさしく丁寧に解説します。本書の30のレッスンを終えれば、はじめての方でも、QGIS(フリーソフト)を用いて目的の地図を表示・作成することができるようになります。
また、自分の知りたいこと、ビジネス上の課題など、様々な問題を解決するために様々な情報や統計データを地図上に視覚化するスキルも身につきます。デジタル地図を扱うすべての方におすすめの一冊です。
本書掲載リンクアドレス等のダウンロードはこちら https://www.beret.co.jp/books/dl/book742_GIS.zip
書籍詳細
その問題、デジタル地図が解決します ―はじめてのGIS
地理学習の必須スキルが身につくはじめの一冊

- 著者名
- 中島円
- ISBN
- 978-4-86064-651-6
- ページ数
- 247ページ
- サイズ
- A5判 並製
- 価格
- 定価2,310円 (本体2,100円+税10%)
- 発売日
- 2021年03月19日発売
内容紹介
著者コメント
(「はじめに」より)
「地理情報システム(Geographic Information System : GIS)」という言葉はよく知らなくても、地理や地図という言葉は誰もが知っています。
書店に行けば、地図コーナー以外にも観光マップや山岳ガイド、地図を中心にした街歩きや食べ歩きの本がたくさんあります。
学校で教わる「地理」や、使っていた「地図帳」のことは忘れてしまっても、スマートフォンの「地図アプリ」は大勢の方が使っているでしょうし、車に乗る方の多くはカーナビを活用しているのではないでしょうか。
それでは一体「地理情報システム」とは何なのでしょうか?
カーナビのことでしょうか?
地図アプリのことでしょうか?
それとももっと難しい「何か」なのでしょうか?
いえいえ、現在の地理情報システムはとても身近でやさしいものです。
カーナビも地図アプリも全て、地理情報システムです。読者の多くはすでに地理情報システムのユーザーなのです。
ではなぜ、地理情報システムという言葉には馴染みがなく、使ったことがないと思っているのでしょうか?
本書はその疑問を丁寧にひも解いていき、楽しく分かりやすくお伝えしたいと思います。
地理情報システムに少し興味のある方、地理や地図が好きな方は、この本を読み終える頃には、自然と地理情報システムを使っていることでしょう。
カフェでリラックスしている時や休日に自宅で過ごしている時、本書を読みながらパソコンで地理情報システムを触ってみるといった利用をおすすめします。
はじめに「地理情報システムとは何か」と「地理情報システムで何ができるのか」についてお話しします。すでにご存じの方も、地理情報システムの利用シーンや可能性は年々広がってきていますので、新しい空気を感じていただきたいと思います。
その後は、身近なテーマ(本書ではミッションとしています)を設定しますので、このミッションをクリアするために、地図を作成しながら、地理情報システムの基本を学んでいきたいと思います。ミッションは少しずつ難しくなっていきますので、はじめてデジタル地図や地理情報システムに触れる方にも安心して読み進められる内容になっています。すでに地理情報システムを使いこなしている方は、ぜひミッションを自分ごととして考えていただきクリアするとともに、その内容を友だちや知り合いに教えてあげてください。
本書はいわゆる地理情報システムのソフトウェアのマニュアル本ではありませんので、ソフトウェアの操作をこと細かに解説はいたしません。しかし、一つの言葉が足りなかったことで理解が進まないようなことにならないように、ソフトウェアの用語は、図や写真を用意して解説していきます。
それでは、楽しい地理情報システムの世界をスタートしていきましょう。
著者プロフィール
中島 円(なかじま まどか)
1967年静岡市生まれ。さいたま市で育ち、現在は渋谷区に在住。
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科後期博士課程修了。博士(システムエンジニアリング学)。
国際航業株式会社に勤務し、1990年代より官公庁、民間企業のGIS開発に従事する。キャリアの前半はGISソフトウェアのプログラミング開発を中心に、中盤はオープンソースを利用したGISの開発とビジネス展開に注力した。近年は位置情報を活用した、人や車、ドローンの移動データの研究に取り組んでいる。特に、視覚障害者の行動支援とスポーツ選手のパフォーマンス分析に力を入れている。レッスンではQGISを使用したが、研究ではArcGISを使うことが多い。
2020年4月より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任教授を兼任。
日本地図学会常任委員、地理情報システム学会GIS資格認定協会資格認定委員。
共著書に「位置情報ビッグデータ」、「アイデアソンとハッカソンで未来をつくろう」、単著に「センサーシティー」(ともにインプレスR&D)。
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