2025.09.22 NEW 社長コラム 夏休みとキャッチコピーの話 ベレ出版の社員には、毎年5日間の夏休みが与えられています。この休暇はお盆などに固定されておらず、7月から9月の間で自由に取得できます。社長である私も同様にお休みを取ることにしていまして、今年は9月中旬に休暇を取りました。この原稿は、その休暇中に書いています。 今年の夏休みは、東北地方を電車でゆっくり旅することにしました。東京から仙台へ向かい、そこから日本海沿いの路線を乗り継いで北上し、最終的には青森県八戸市まで足を延ばすという、なかなかの長距離移動です。岩手県の大船渡から久慈までの区間には、「三陸鉄道リアス線」という第三セクターの鉄道が走っています。リアス式海岸で知られる三陸海岸沿いを南北に縦断するこの路線は、自然豊かな景色が車窓から楽しめる魅力的な鉄道でした。 さて、この「三陸鉄道リアス線」、乗ってみて初めて知ったのですが、各駅にはキャッチコピー(愛称)が付けられているのです。社内放送では、次の駅名とともにそのキャッチコピーが読み上げられ、さらに簡単な観光案内まで紹介してくれるのでした。たとえば、釜石駅は「鉄と魚とラグビーのまち」、宮古駅は「リアスの港」といった具合です。これらは比較的知られた地域で、キャッチコピーも“なるほど”という印象ですが、あまり知られていない駅でも、「何だろう?」と興味をそそられるものがありました。例えば、大槌駅は「鮭とひょうたん島の町」。ひょうたん島がシンボルとのこと。吉浜駅は「キッピンあわびの海」。キッピンアワビ?初耳でした。払川駅は「新たな希望」。これはなんだか映画のタイトルのようです。 ローカル線で、聞き慣れない駅名ばかりでしたが、こうしたキャッチコピーがあることで、駅のイメージがぐっと鮮明になり、気になるコピーに出会うと、印象にも強く残ります。魅力を伝える、ユニークな試みだと感じました。 良いキャッチコピーは、それだけで人の心を動かします。ベレ出版の本のキャッチコピーは、基本的に担当編集者に一任していますが、読者の心に「おっ!?」と響くような、そんな印象的な言葉が生み出せるよう今後も期待したいところです。