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  • 編集部コラム

ダンケルク・スピリット

先日、クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』を観てきました。この映画は第二次世界大戦でダンケルクにおける連合軍の撤退戦(ダイナモ作戦)を描いたものです。陸・海・空それぞれの視点で同じ現場を描写しており、実際に戦闘のあったダンケルクでも撮影が行われたそうです。

ダンケルクは、ドーバー海峡にのぞむ現在のフランスとベルギーの国境付近にある海辺の町です。大戦の序盤でイギリス軍とフランス軍はドイツ軍にこの地に追い詰められ、イギリス本国への撤退を余儀なくされました。イギリスは、ダンケルクの浜辺から、33万人以上の将兵を回収しなければならなくなりましたが、救出を待つ将兵にドイツ軍が襲い掛かります。そんな中、イギリスは漁船や観光船・ヨット・石炭船などあらゆる船舶850隻を徴用し、多くのボランティアとともに救出に向かいました。その結果、最終的には約56万人が救われ、ダイナモ作戦は一応の成功を見ます。

この作戦は、大きな物的損失を伴った撤退だったにもかかわらず、イギリスでは「大失敗が大成功になった」と報じられ、絶望的な状況でもあきらめずに団結して立ち向かう精神のことを「ダンケルク・スピリット」と言われるようになりました。

さて、劣勢がささやかれる出版・書店業界ですが、この逆境から盛り返すことはできるでしょうか? ダンケルクでは物的損失は大きかったですが、多くの人的資源が救われたおかげで、のちに反撃することができました。結局は、人を大切にする組織が勝つということかもしれません。一方、逆境で人を大切にしない組織は玉砕しかありません。出版・書店業界は、ぜひ人材を大切にして「ダンケルク・スピリット」を貫徹したいですね。

モリ

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