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  • 著者のコラム

英語でセルフケア:心も頭も整える英語活用術 #1

著者 SAKURACO

Hello folks! 3月の連載を担当させていただきます、SAKURACOです🌿
アメリカ在住の英語学習デザイナー/クリエイターとして英語のワークショップや教材デザイン、英語学習情報の発信に加え、イラスト制作やライフスタイル系のコンテンツを作っています。
2月にはベレ出版さんより『SAKURACO‘s こなれ英語LESSON』を出版させていただき、お陰様で好評発売中です🎉✨

さて、ありがたいことに私は英語学習者の方からご質問をいただくことが多いです。私は英語ヲタなので、基本的にどんな質問でもすごく嬉しいのですが(笑)、その中でも聞かれるとついついテンションが上がってしまうのが「英語ができるようになって良かったことは?」という質問です。

英語のお陰で世界中の人とコミュニケーションが取れるようになったり、得られる情報量も格段に増え、さらに人生の選択肢も増えたり、プラスになったことは数え切れません。その中でも私が特に大きな収穫だと感じているのは、ちょっと意外かもしれませんが、「思考に新しい回路ができた」という点と「新しい考え方をインストールできた」という点なんです。

英語で作られる思考の新回路と意外なプラス効果

英語(というか母国語以外の言語)を使おうとすると、もちろん言葉に詰まってしまうことってあるじゃないですか。例えば、「お腹空いたな〜」って言いたいけれど、 “Hungry” (空腹)という単語が思い浮かばない!(もしくは知らなかった)という時。手元にスマホも辞書も聞ける人もいないから調べられなかったりすると、頭をフル回転させて、 I haven’t eaten all day. (今日は何も食べてない)とか、I need some food right now! (今すぐ何か食べないと!)みたいに、違う角度から言い換えることで乗り切った経験って、きっと皆さんもあると思います。

こんな風に多角的な視点で物事を見て言語化するという練習を重ねていくうちに、日本語で考える時も(これは他の視点で見ると、どういうことなんだろう?)と考えてみる機会が増えました。こうして色々な面に注目するようになったことで、人の話を聞く時に解像度や理解度が上がり、共感力アップにも繋がっていったように感じています。そして、こういった「思考の解像度」の向上は「対相手」という外向きのベクトルだけでなく、「対自分」という内向きにも効果を発揮してくれました。

自分の考えていることって、わかっているつもりでも意外と把握できていなかったりしますよね。そのせいで、いざ!という時に上手く気持ちを伝えられなかったり、不本意な選択をしてしまったり。私自身これを完全に攻略できた!なんて言うつもりは勿論1ミリもないのですが、英語を通して自分の思考を色々な角度から、あーじゃない、こーじゃないとこねくり回す過程のお陰で、自分の思考プロセスを把握したり、柔軟に捉え直したりできるようになって、自己理解に繋がっていきました。

これって英語学習にあんまり関係ないんじゃない?
と思った方もいらっしゃるかもしれません。でも自分を理解していることって、実はコミュニケーションをとる上でも、英語学習を楽しく進める(=継続する=上達する)上でもとってもとっても大事です。だって自分が何を考えているのかわからなかったら、言葉にできませんから。ましてや非母国語でなんて、余計ハードルが上がっちゃいます。英語“学習”の面でも、自分はどんなやり方を楽しいと感じて、どんなやり方が合っているのか?ということを理解できていないと、いつまでもネットで見た英語学習法を次から次へと乗り換えては挫折する英語学習法ジプシーになってしまいます。だから、自己理解と英語学習は切っても切り離せないんですよね。

私は、より自分にとって心地よいコミュニケーションや選択ができるようになったのは、英語によって作られた新しい思考回路のお陰だな、といつもしみじみ思っています。

ことばと一緒に新しい考え方もインストール

英語を学んでいると、きっとみんな一度は思うことがあると思います。それは、「英語でなら言えるこんなこと、あんなこと」というものがたくさんある!ということ。(これはもちろん日本語でも何語でも同じなのですが。)
一番極端な例は I love you. じゃないでしょうか? 英語でなら家族にも友達にもサラッと言えるけれど、日本語で「愛してる」と言うのはハードルがあまりにも高い。とりあえず「今夜は月が綺麗ですね」と言っておこう…ってなるのが日本人ですよね(笑)

そのほかにも例えば、頑張った自分を褒めたい時、日本語だったら「いや〜、本当に頑張ったわ!」とか「自分でもよくやったと思う!」とかって言うと思いますが、そこを英語だと I’m proud of myself! という表現が使える。これは直訳すると「私は自分を誇りに思う」というなんだかすごく仰々しい意味になってしまいますが、英語でなら相手に引かれる心配もなく、自信過剰に聞こえることもなく、普通のテンションで使えちゃうんです。

ということは、今までは自分に対して誇らしいと感じる機会がなかったのが、英語のお陰で I’m proud of myself! と思う機会ができる。つまり、ことばと一緒に新しい考え方やマインドセットも一緒にインストールできちゃうんですね。

こうして英語を通して、自分の中に今まで存在していなかった概念が増えていき、私の内なる世界や思考の幅、視野がグーーーーンと広がっていったのでした。

具体的な練習方法:英語ジャーナルのすゝめ

なるほど、英語を学ぶことにはそんな意外な効用もあるのね。でも、それって結局どうやって英語学習の中に落としこんでいくのが良いの?とご興味を持ってくださった方にぜひおすすめしたいのが「英語のジャーナル」です。

私たち日本人にとって、ジャーナルより「日記 (diary) 」の方が聞き馴染みがあるかもしれませんが、実はこの2つ、若干立ち位置が異なるんです。まず定義を見比べてみましょう。

diary:a book in which one keeps a daily record of events and experiences
(日々の出来事や起きたことを記録する本)

journal:a book in which you write down your personal experiences,thoughts and observations
(個人的な考えや考察、経験を綴る本)

つまり日記は具体の世界(起きた出来事)を記録するツールで、ジャーナルは抽象の世界(自分は具体をまとめてどう捉えたのか、それにどう思ったのかなどの思考)を洗い出すツール、というイメージな訳ですね。確かに日本語でも「日記」と聞くと「今日は〇〇ちゃんと遊んだ。楽しかった。」という[出来事]+[一言感想]みたいなものを想像しませんか?
ということは「日記」だけだと自分の思考や起きた出来事を色々な角度から観察して言語化するという作業に辿り着く前に終わってしまいます。それに対してジャーナルは「この出来事を自分はどう解釈したのか?」という自分のなかでの意味づけや、「自分がこういう気持ちになった理由は?」という自分自身の思考プロセスの根っこの部分をとことん観察して言葉にしていきます。
なので、英語を通して自分の思考回路を育てたり、新しい考えをインストールしたりするには、やっぱりジャーナルの方が圧倒的に向いているなあ、と思うのです。

ということで、次回の記事では実際にジャーナルのトピックと例文を使って、陥りがちな落とし穴やハードル、そしてそれを避けるコツ、文章全体の構成の解説なども含めてご紹介していきます! お楽しみに!✏️☺️✨


記事を書いた人:SAKURACO
NYでデザインを学ぶため19歳で単身渡米。一度帰国するも、国際結婚を機に2014年よりアメリカ西海岸へ移住。
語学力を活かして大手オンライン英会話にて累計100名以上のレッスンを担当する。現在はフリーランスで、洋書を教材にした英語ワークショップの開催や学習教材のデザイン、SNS・ブログ・ポッドキャスト・YouTube などのコンテンツを通して、英語学習についての情報を発信中。ライフスタイル系コンテンツの作成やイラスト作品も手がけ、自身のアート作品を販売するショップも立ち上げている。EPT® 英語発音テスト満点保持。

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