2014.07.14 編集部コラム 著者の定年退職 ベレ出版ができる前からおつきあいのある著者で、大学教授をされている先生がいます。もう十数年、新しい企画を思いつかれると毎回、「これは大ヒット間違いなしの企画ですよ」とお電話をいただき、大学の研究室にお邪魔します。先日も、いつものように研究室を訪ねると、壁一面にあふれるほどあった本がほとんど消え、デスクにあったパソコンもなくなっていました。状況がつかめないでいると、「ここで打ち合わせをするのは今日で最後です、定年退職です」。白髪1本なく、「棺桶に片足突っ込んでいる年寄りには」とよくおっしゃるわりには、若返りサプリに詳しく、愛車は真っ赤なスポーツカーという先生です。定番のロングセラーを何冊も書いてくださり、しかも、書きたい企画が途切れたこともなく、毎回予定オーバーの原稿量。この先生に「定年」なんて日がくることを、十数年通ったこの研究室が先生の部屋ではなくなることを想像もしていませんでした。一人の著者が英語の本を何冊も書けるものなの?ときかれることがありますが、十数冊、数十冊と書いている方は少なくありません。この先生もそんな著者の一人です。何十冊もの著書があっても、1点1点、本気の大ヒット企画のアイデアを楽しそうに話してくださるから、こちらも一緒にその夢を実現するためのお手伝いを、何年担当しても、10冊目でも20冊目でも新鮮な気持ちでできるのだと思います。この4月から名誉教授となった先生の夢の大ヒット企画はいまも進行中です。定年はやはりちょっとこの先生には早いようです。(名誉教授は部屋をもらえないそうです) ワタヒキ